今回は、ワンルームタイプの事例をもとに、賃貸マンションの現在の閉塞状況とその打開のヒントをご提案してみたいと思います。
単身者向けのワンルームタイプですが、お客様のほとんどが学生や若年層の社会人であるため、ご希望条件のなかに、かなりの割合で流行が関わってくるという事情があります。ワンルームタイプではファミリータイプにもまして、部屋設備・付加価値に対する投資が要となって影響してきます。
コインランドリー、電化キッチンなど、比較的不利と見られている物件の条件がありますが、この他にもお客様の要望は数え上げればきりがないほどです。このような建物ハードの面での意見には、当然、対応しきれる部分としきれない部分がでてくるため、たいへん難しい問題であることかと思いますが、ここで、そういった不利な状況をクリアし、人気物件へと改良されたものの一例にスポットをあててみたいと思います。
あるコインランドリーマンションで、なかなか部屋が決まらないという苦境がありました。そこで、各部屋のベランダに洗濯機を設置できるように、給湯器設備の給水部にカランを噛ませる工事を行うことで、洗濯機設置可能のベランダをもつ物件に改良されました。
コインランドリーのみ使えるというマンションと洗濯機が自室ベランダに設置できるマンションとでは、やはり募集の段階でのスタート位置が変わってきます。当然、お客様の嗜好は自室に洗濯機設置可能のタイプに集中するので、立地はそこそこよくてもなかなか入居者が決まらなかったこのマンションですが、この改良工事によってお客様の間口に幅ができ、入居者募集から決定に至るまでの動きにスムーズさが生まれました。この例では、洗濯機設置設備の中に打開のヒントが隠されていたわけです。尚、他のコインランドリーマンションにも、この物件のような給湯器設備があればこういった対応も可能です。
当管理部では、前線でお客様に直接接する各仲介営業所から得たさまざまなお客様の声を参考に情報の収集にあたり、現状把握とそれに対する的確な状況判断をもって、これからもオーナー様のお力添え・指針となって参ります。