ピッキング被害の現状とカードキー
2001年03月11日
(株)計電産業 増田 幸平
3月度のセミナーは、3月11日に現在社会問題ともなっています「ピッキング被害の現状とカードキー」というテーマで、株式会社計電産業の増田幸平氏にご講演とカードキーのサンプルによる実演をして頂きました。
はじめに盗難の現状と防犯対策の課題
近年の治安状況は悪化の傾向にありますが、治安の悪化に対する市民の認識は依然「水と安全はタダ」という状況。
犯罪への対策としては「検挙にまさる防犯なし」という事です。
1.マンション等の侵入手段
1位:ピッキング・・・46.4%
2位:ガラス破り・・・21.2%
3位:無戸締まり・・・15.2%
4位:ドア破り・・・・ 1.9%
5位:その他・・・・・15.3%
2.ピッキングの被害急増
平成12年の大阪の統計では8月末日迄で昨年の合計件数の14倍にまで被害件数が達している。
これはピッキングの技術が比較的カンタンな事と、こじ開けた形跡が後に発見しにくい点が上げられる。
○ねらわれやすい対象は?
- 昼間は留守がちな単身マンション。
- 夜間は警備システムを設置していない会社事務所。
- 錠穴が縦で、錠にV字の溝がある「ディスクシリンダー型」と呼ばれるタイプ。
- オートロックマンションは一度侵入すれば住人以外は入れないので狙われやすい。
○マンションへの主な侵入口は?
- 玄関
- ベランダの窓から
- 非常階段から
- 雨樋をのぼってベランダから
○マンションで泥棒被害に遭った階数は?
1位:1階(34%)
2位:2階(23%)
3位:6階(15%)
4位:3階(14%)
○侵入をあきらめる時間は?
1位:2~5分(51%)
2位:5~10分(23%)
3位:2分(17%)
*泥棒は5分以内に侵入が出来ないと殆どあきらめる。
○犯行をあきらめた理由は?
1位:近所の人に声をかけられたりジロジロ見られたから(41%)。
2位:ドアや窓に補助錠が付いていたから(21%)。
3位:犬を飼っていたから・機械警備システムが付いていたから(各19%)。
鍵の取扱業者等についての法律整備が出来ていない
- ピッキングツールがカンタンに販売されている。
- 鍵を開けるマニュアルが書店で販売されている。
- 鍵業者に対する法律整備が不十分。
防犯対策とピッキングに強い鍵は?
- 防犯性能の高い鍵:カードキー(磁気)・ディンプルキー・ロータリーディスクタンブラーキー・ピンタンブラーキー(鍵山の数が多く溝が深い)
- 防犯性能の低い鍵:ディスクタンブラーキー・ウェーハータンブラーキー
- ドアの鍵は頑丈なものを円筒状等(モノロック・インテグラルロック)のものは本来室内用です。取っ手を壊せば簡単に開けられます。 「彫り込み箱錠」「面付け箱錠」に新設するか、補助錠の取付により「ワンドア・ツーロック」をお勧めします。
- ドアにガラスがある場合は補助錠を。ドアに郵便受けがある場合は内側に「受け箱」が必要です。
- ドアの隙間に「ガードプレート」、丁番を補強する為にも「ドアボス」をお勧めします。ドアチェーンも防犯対策には必要です。
3.「カードキーシステム」導入のご案内
「カードキーシステム」の特徴。
- 町の鍵屋さんでは合鍵が作れないから安心。
- ピッキングでは全く開けられません、不正解錠に強い構造。
- 各単体(キーシリンダー)に16通りの設定で、入退去毎のシリンダー交換が不要。
- 既存シリンダーが殆どカンタンに「カードキー」になります。
カードキー・カードシリンダーの構造図解
1. カードキーの構造図解
ステンレスカード
2枚のステンレス版に磁気シートが埋め込まれています。
そのシートに特定極性をスポット状に記憶させ、カギとします。
場合により、ダミーも記憶させます。
磁気シートにはバリウムフェライトを使用しています。
(バリウムフェライト:他界磁気保持力を持つ材料で、磁力の安定性に優れ、外部からの磁力にも強い。)
2. カードシリンダーの構造図解
メカニカルカードシリンダー
セキュリティーリングにより、隙間からの破錠に強いシリンダーです。
又、逆タタキマグネット・アンチラップマグネットの採用により、振動等による不正解錠も困難な構造になっています。
「カードキーシステム」の導入実績
- 全国の賃貸住宅50万戸設置と20年実用実績。
- 大学(東京大学、千葉工業大学、山梨大学、名古屋大学、大阪大学、熊本大学等)。
- 官公庁(中野区役所・千代田区役所・大蔵省印刷局・消防庁・日本道路公団・名古屋国税局等)。
- 横須賀海上自衛隊・米軍座間キャンプ。
- 上場企業(富士銀行・東京三菱銀行・住友火災海上・日本IBM・読売新聞社等)。
今回はこのように、現在のマンション等の防犯状況を資料・ビデオにてとてもわかりやすくご説明頂きました。私どもの防犯に対する認識はマダマダ低い事を再確認させられたように思います。
又、貸家業を営む会員の皆様におかれましては貸主側としての責任についても感じさせられたように思います。
後半の座談会では大変積極的且つ具体的な質問が多くありました。中には、既に設置をなされた会員様よりご意見があり「物件のグレード・安心をアップさせるのにとても効率の良い投資金額であり、実行するのであれば早い方が良い。」と、とても積極的な賃貸経営をなされている力強いご意見も頂きました。
この機会に是非とも、経済面・管理面そして物件のグレードアップについて素晴らしいメリットのある「カードキーシステム」の導入をご検討頂きます様お勧め致します。
今後も、財産ドック定例セミナーでは、会員の皆様にとって税制・法律面はもとより、業としての賃貸経営をバックアップする為に具体的な物件グレードアップ・活性法を積極的にご提案させて頂きます。
会員の皆様におかれましては、当セミナーを今後も積極的にご利用頂きますよう重ねてお願い申し上げます。
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