平成16年度税制改正について

2004年01月17日

山本和義税理士事務所 塚本 和美

平成16年度1月度の財産ドックセミナーでは平成16年度税制改正について、税理士の塚本氏(山本和義税理士事務所)より、マンションオーナー様に関係のある部分を抜粋してご説明いただきました。

1.住宅税制

□ 住宅ローン減税の改正

 住宅借入金等の年末残高(限度額5000万円)に控除率1%を乗じて求める現行の住宅ローン減税制度は1年間延長するとともに、平成17年から平成20年までの間に居住の用に供した場合の住宅借入金等の年末残高の限度額及び控除率を右記のように段階的に縮小することとしました。これにより最大減税額は500万円から平成20年には160万円に減少することとなります。

2.土地税制

□ 土地等及び建物等に対する譲渡税率等の見直し

 平成16年1月1日以後の土地等及び建物等の譲渡益に対する税率は以下のように軽減されます。
 長期所有(5年超)の譲渡税
  改正前 (譲渡利益-100万)×26%
  改正後 譲渡利益×20%

 短期所有(5年以下)の譲渡税
  改正前 譲渡利益×52%
  改正後 譲渡利益×39%

□ 土地等及び建物等の譲渡損失と他の所得との損益通算及び繰越控除の禁止

 平成16年1月1日以後の譲渡から、所有期間5年超の居住用不動産で一定の要件を満たすものを除き、土地等及び建物等の短期譲渡所得の金額又は長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額については、土地等及び建物等の譲渡による所得以外の所得との通算及び翌年以降の繰越はできないものとされました。

不動産の譲渡により5000万円の損失があり、
それ以外の所得が不動産所得2000万円・給与所得1000万円あった場合の例

・平成15年に損失発生
 △5000万円+2000万円+1000万円=△2000万円
 *平成15年の所得は△2000万円となる為、所得に対して税金はゼロとなる。
 しかも翌年に譲渡損失△2000万円を繰越計算できる。

・平成16年に損失発生
 2000万円+1000万円=3000万円
 *平成16年の所得は△5000万円は通算されず所得3000万円に対して税金がかかる。

□ 特定の事業用資産の買換えの場合等の課税の特例制度の延長

 この特例は、特定の事業用資産である譲渡資産(国内にある土地建物等で、その譲渡の日の属する年の1月1日において所有期間が10年を超えるもの)を譲渡し、その譲渡資産に対応する買換資産(国内にある土地等、建物等または機械及び装置)を取得した場合に限って適用されます。

10年前に1000万円で買った土地を1億1000万円で売却した場合の例

通常、譲渡利益1億円×20%=2000万円ですが、
上記特例ではさらに20%をかけた400万円の税金で済みます。
この制度の適用期限を平成18年12月31日までの3年間延長することとされました。

3.その他国税関係の改正

□ 青色申告特別控除制度の見直し

 青色申告特別控除制度は平成5年以降に、青色申告の一層の普及・奨励を図り、適正な記帳慣行を確立し申告納税制度の実を上げるとともに、事業経営の健全化を推進する観点から設けられました。
 今回の改正で、長年の青色申告制度をめぐる議論の経緯を踏まえ、取引を正規の簿記の原則に従って記録している者については、青色申告特別控除額を65万円(改正前55万円)に引き上げることとしました。
 なお、事業所得又は不動産所得を生ずべき事業を営む青色申告者でその所得に係る取引を、簡易な簿記の方法により記録し、確定申告書に損益計算書に加えて貸借対照表を添付している者に係る経過措置(45万円控除)は廃止することとされました。この改正は平成17年分以後の所得税から適用することとされています。

□ 公的年金等及び老年者控除の見直し

 老年者控除や公的年金等控除のうち、年齢65歳以上の者に対して上乗せされている措置を廃止するなどの改正が行われます。

1. 老年者控除の対象となる老年者とは、年齢65歳以上で、合計所得金額が1000万円以下の人をいい、老年者であるときは、50万円を所得金額から控除することができるとされていましたが、これが廃止されます。

2. 老年者特別加算として年齢65歳以上の者の公的年金等の控除の最低保障額を50万円加算し、120万円とする特例措置を講ずることとしました。これらの改正は、平成17年分以後の所得税から適用することとされています。

尚、次回の財産ドックセミナーでは税制改正を踏まえた確定申告のポイントを分かりやすく解説する予定をしておりますので、たくさんの方のご参加をお待ちしております。

株式会社 京都ライフ 企画管理部北営業所

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