マンション経営の実践講座
2005年05月18日
税理士法人総合経営 公認会計士 長谷川 佐喜男
日本管理センター(株) 森 久純
アークシステムテクノロジーズ(株) CPM・不動産経営管理士 定村 吉高
平成17年5月18日、京都ライフロイヤルホテルにて財産ドック株式会社と(社)全国賃貸住宅経営協会京都府支部の主催で「マンション経営の実践講座」と立食パーテイーを行いました。
【第一部】
今すぐ役立つ「資産運用と資産保全」
~ペイオフ時代の資産の守り方と相続税対策~
税理士法人総合経営 公認会計士 長谷川 佐喜男
【第二部】
空室の不安を解消!
~家賃保証付きリフォームのすすめ~
日本管理センター(株) 森 久純
【第三部】
なぜ!アパート・マンションは管理が必要か?
~不動産投資とは、収益とは、お金の話も判りやすく解説します~
アークシステムテクノロジーズ(株) CPM・不動産経営管理士 定村 吉高
【第一部】
今すぐ役立つ「資産運用と資産保全」
~ペイオフ時代の資産の守り方と相続税対策~
税理士法人総合経営 公認会計士 長谷川 佐喜男
1. 経済市場の大激変
21世紀になり経済は大きく市場が転換し、20世紀モデルから21世紀モデルに大激変しました。
ペイオフ全面解禁による投資時代の到来(平成17年4月より当座性預金以外の利子の付く預金はすべて対象)、今年4月より個人情報保護法の施行のよる情報化社会の落とし穴、減損会計による企業の不動産の大量供給等、市場は大激変し、今までの大手企業のやり方が通用しなくなりました。
2.不動産の価値観の大激変
20世紀までの不動産は、特別なもので地価は常に右肩上がり(土地神話)で永久に保有するものと思われましたが、21世紀になって神話は崩壊、不動産価格は常に変動し、収益還元価格重視の時代になり、不動産自体が金融商品になってきました。
3.相続対策(納税、節税対策)
1.長期型対策
将来(長期型)の相続のための納税・節税対策フローチャート
2. 短期型対策
近い将来(短期型)の相続のための納税・節税対策フローチャート
3.その他
相続時精算課税制度(2003年導入)
相続税精算課税制度のポイント
・65歳以上の親から20歳以上の子供に贈与する場合に利用できる
・一生の間に、親から子へ一人当り2500万円までの贈与なら非課税
・非課税枠を超えた場合は、一律20%を課税
・将来、相続が発生したとき、贈与した金額と相続金額とを合算して相続税を計算し、既に支払った贈与税を差し引く
・一度制度を選択した場合、通常の贈与税の税率や非課税枠は利用できない
・住宅取得資金として親から子へ贈与する場合は、親が65歳未満でも制度を利用でき、一人当たり3500万円まで非課税となる
4.出口対策から見た相続対策
被相続人と相続人の思いは違うものです。相続人が望むベスト3は
1位 現金 2位 債券、上場株式 3位 収益不動産
なぜ現金が1位なのか?それは、流動性、貯蓄性、成長性、この三つを兼ね備えているのは現金であるからです。
毎年一回はチェックしたい相続税対策
(1)財産リストを作成する(簡単な財産評価)
(2)現時点の相続税を試算する
(3)納税資金をどのように充当されるのか再確認する
(4)ライフプランに合わせた財産活用計画を再考する
(5)遺言書を作っている場合はその内容を再確認する
(6)妻、子供、孫への贈与、今年はどうするか考える
(7)権利証や各種証書、契約書、貸金庫内の重要書類を確認する
(8)保険のリストを作成しておき、目的、満期などを再確認する
(9)自社の株式評価は毎日行う
(10)今年の税制改正等について専門家の話を聞く
【第二部】
空室の不安を解消!
~家賃保証付きリフォームのすすめ~
日本管理センター(株) 森 久純
オーナー様の資産である建物の築年数が古くなるとどうしても入居率が低くくなり、慢性的な空室と家賃の低下、入居者の質の低下が課題になってきます。
さらに収入が減るのに対して維持管理コスト、メンテナンスコスト等経費の増加し、減価償却等の節税メリットも減少します。
そこで、現状とリフォーム後の収入、支出(固定資産税、メンテナンスコスト等を明確化)を把握しリフォームプランと併せ事業計画を立案します。ここで家賃保証付きリフォーム(スーパーサブーリース)を利用すれば、金融機関の融資リスクを回避できます。
家賃保証付きリフォームのポイント
1.家賃保証付きと言えども企画(プランニング)が重要になってきます。
例えばリフォームの中身に差別化できる要素を取り入れる(ペット共生、浴室TV、デザイン・・)アパート名称の変更(○○ハイツ→○○パレスなど)また将来に渡って競争力を確保できる間取り、バリアフリー化、輸入製品などを使った住宅設備のセンスアップ、インターネット対応など。
2.綿密な資金計画の立案が必要。
公租公課、メンテナンスコスト等諸費用の算出、組替えを含めた融資条件の見直し、事業計画作成(一括借り上げ家賃保証・・・スーパーサブリースの導入)が必要になってきます。
家賃保証付き(一括借り上げ)リフォームのメリット
1.安定した家賃収入の確保と物件の価値の再生
2.賃貸経営の手間がかからない、訴訟リスクの回避、相続税対策、転売対策、借り上げ会社による経営代行等
古くなってしまってもう高家賃、満室維持は無理だとあきらめてる方、もう一度物件を蘇らせてみてはどうでしょうか?オーナー様の資産の最大化を考えた時、サブリースの安定性と一般管理の高収益性を同時に実現できるものがこのスーパーサブリースです。
【第三部】
なぜ!アパート・マンションは管理が必要か?
~不動産投資とは、収益とは、お金の話も判りやすく解説します~
アークシステムテクノロジー(株) CPM・不動産経営管理士 定村 吉高
1.投資のリスクを考える
マンション経営において投資は絶対必要不可欠なものです。
しかし、投資には必ずリスクを負います。通常はハイリスク/ハイリターン、 ローリスク/ローリタンですが、一番よいのはローリスクでハイリターンをとっていくことです。
不動産投資(アパートマンション経営)のリスクを考えてみましょう。
- 滞納リスク (未収入金)
- 入居者リスク、信用リスク (入居者の質の低下、モラル等、今の世の中何が起きるか分からない)
- 空室リスク (収益機会の損失であり、滞納リスクよりリスクは低い)
- 経済情勢の変化 (史上最低の金利、これからは上がるのみ)
- 入居者ニーズの変化 (インターネット時代の到来等)
- 法の改正 (敷金、原状回復問題や税制問題等)
- 天災地変 (地震、台風、等)
- 物理的環境の変化 (大学移転、工場閉鎖)
- 無管理
- 建物、設備の老朽化
- オーナー自身・・・ETC
この中でもっともリスクが高いのは「無管理」です。
無管理で長期保有すれば、他のリスクをも背負うことになるからです。
例)入居審査なしで入居者を決定すれば、入居者リスクや滞納リスクを背負うことになる。
2.リスク管理(危機管理)術 ~リスクマネジメント~
リスクをいかに分析できるかポイントになってきます
- リスクをゼロにする
- リスクを減らす
- リスクを代わりに負担する、転換する。(保険等)
この3つが基本になってきます。
3.賃貸管理(マネジメント)の重要性
収益の差はリスクマネジメント力の差に比例していきます。
その収益を生むのは「収益源」つまり資産、資源(マンション、アパート)ということになります。その資源(マンション、アパート)がいかに適正な収益を生みだせるかは、専門的なマネジメントが必要になってきます。
4.収益とは何か
■ 潜在収入(競合市場における所有物件の市場賃料を把握する)
- 空室損失
- 延滞損失
-------------------
- 実効収入
■ 実効収入
- 運営費(清掃費・管理費・固定資産税・その他)
-------------------
= 純営業収入(資産評価で最も重要な数字です)
■ 純営業収入
- 銀行返済
-------------------
= 現金の収入(キャッシュフロー)
■ 現金の収入
- 資本改善費用
-------------------
= 正味現金収入
5.収益を考える・不動産管理術
専門的な知識をもった会社に管理を任せれば・・・
■ 空室損失を減らすことが出来ます
■ 延滞損失をなくすことが出来ます。
→実効収入があがります
■ 運営費を下げることが出来ます。
→純営業収入が上がります。
→不動産の評価が変わり、ローンの評価が上がります。
6.資産管理術・投資運用術
お金の価値を考える、時間的価値
■ 今日の10,000円と1年後の11,000円
■ 今日の10,000円と1年後の20,000円
投資家であれば今日の1万円を取らなければならない。
なぜなら1年後のお金の価値は変わっているかもしれない。もし1年後の2万円を取るのであればそれは投資家でなく、ただのギャンブラーです。
投資利回りを考える
・正味実効家賃
例え家賃が同額であったとしても、今月の家賃と2年後に受領する家賃とは価値が違うことを理解しなければなりません。また空室損失や修繕負担なども各月随時発生したときにこれを参入し実効家賃を計算します。
・正味実効家賃の計算
○例題1
A.現在60,000円で募集しています。募集した経緯から6ヶ月は空室が続くものと考えられます。
B.Aと同じマンションで、至近の部屋を56,000円とし、2ヶ月の空室見込みで募集します。
・割引率(リスク)は5%を使用します。ベースは3年とします。AとBどちらが得ですか?
Aの正味実効家賃:49,366円
Bの正味実効家賃:52,660円
解答 Bが得
○例題2
A.オーナー様には初回に30万円かけてリフォームすることを提案します。そして6万円で貸し付けます。当初の空室期間は2ヶ月です。
B.しかし、オーナー様は30万円の資本改善リフォームをしたくないと言っています。この場合は55,000円の募集賃料になります。見込まれる空室期間は6ヶ月です。
・ともに4年のベースで計算し、割引率(リスク)は5%とします。AとBどちらが得ですか?
Aの正味実効家賃:50,340円
Bの正味実効家賃:47,500円
解答 Aが得
アパート マンション経営にするにあたって最大のリスクは、無管理。
もしあなたが株主で特殊な会社の運営を依頼する場合、その道のプロ、専門家に取締役になってもらうはずです。もちろん不動産運用も同じで、不動産運用は専門家に依頼するのがリスクを最大限軽減する最善の策です。
立食パーティー
今回は第二部でリフォームにおける空室回避の説明をさせて頂きましたが、もう少し細かい説明をとお考えのオーナー様は、6月度の財産ドックセミナーレポートもご覧下さい。 「家賃滞納を解消!」「賃貸マンションのリフォームのやり方とその意義」と銘打ち賃貸保証付リフォームを深く紹介致します。
空室にお困りのオーナー様は是非ご一読下さい。
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