平成18年路線価公表にみる最近と今後の地価動向

2006年09月07日

(株)関西総合鑑定所 津田 浩伸

 9月度財産ドック定例セミナーは(株)関西総合鑑定所より不動産鑑定士の津田浩伸氏をお招きし『平成18年路線価公表にみる最近と今後の地価動向』をテーマに路線価などの公的評価及び実際の不動産(土地)取引の動向の認識からオーナー様の今後の資産運用に役立つお話まで、事例を交えてお話頂きました。

1.公的土地評価の紹介(4種類)

地価公示
 ・一般土地取引の指標。用地買取等の価格指標、相続税の評価等のめやすなど
都道府県地価調査
 ・国土法に基づく地価審査の基準ほか、地価公示とほぼ同じ
相続税路線価
 ・相続税、贈与税の課税の為、地価公示価格水準の8割程度を目途に決定
固定資産税評価
 ・固定資産税課税の為、地価公示の7割程度を目途

2.平成18年路線価公表結果の概略

 京都府内の路線価が平均で15年ぶりに上昇、おもに中心部(商業地)の上昇によるもの。全国平均でも14年ぶりに上昇に転じた。その背景として首都圏、大阪圏、名古屋圏の三大都市が牽引した。ただ、まだまだ下落している地域も多い。全国的に大都市以外の地方圏での下落は依然として進んでおり、京都でも亀岡、舞鶴、福知山等の北部地方の下落が目立っている。
 大都市圏でも、人口が集中し経済産業の中心である商業地域の上昇は目覚しく、一部の住宅地域でも小幅な上昇が見られるが、下落地域もまだあり、その格差が地価の二極化を際立たせている。

3.最近の不動産取引動向

 収益用不動産を中心に活発に不動産が取引されており不動産市場に多くの資金が流入し価格が上昇している。一方、投資不適格と判断された地域、物件は下落をたどっている。その諸要因としてバブル崩壊による不動産価格の下落、不良債権処理、会計基準の変更などによる企業保有資産の大量供給、ゼロ金利、不動産の証券化の進展、団塊ジュニアの住宅購入と重なった、等の理由があげられる。
 不動産の価値は"収益"と"利回り"によって影響を受ける。
 したがって資産価値の維持には安定した収入が重要であり安定した収益を得るためには的確に不動産を運営していく事が必要である。さらに不動産の価値は多数の要因の影響をうけるものもあるので日頃から不動産取引動向等の社会経済情勢に関心を持ち情報収集に努める事が大切である。

4.今後の市場動向

 今後の不動産市場に影響を与える要因として金利の上昇リスク、不動産向け融資の縮小リスク。分譲マンションの新規供給(一棟売り)が好調に続いている。又少子化により定員割れの見られる大学も増えてきたが一部大学では依然として入学希望者の減少は見られないところもある。この結果、大学周辺部での賃貸マンション等の空室率に地域による差が大きくなりここでも二極化が進行する事が予想される。賃貸マンション市場に与える影響としては今後も供給過剰で借り手市場が展開されそうである。その影響で一人あたりの居住面積が広くなる事が安易に予測される。又、少子高齢化の影響でライフスタイルが多様化する、所得の格差がもたらす需要が中長期的に変化する等、今後の市場動向を読み解くためには日頃から情報収集が不可欠である。

 以上、簡単では御座いますがレポートとさせて頂きます。最後に、質疑応答の場にも話が出ておりましたが現在京都でも収益マンションの取引が活発に行われておりますが鑑定士様曰く、今は買い時では無く売り時かもしれない、との事です。資産の組換え、買い替え等のご参考になさっては如何でしょうか?

株式会社 京都ライフ 出町柳店

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