「空室対策 虎の巻(3)」 工夫次第で満室経営!
2007年11月13日
京都ライフ 平岡 卓司
日常仲介の現場で多くのお客様と接しマンションのご案内をさせて頂く中で、物件資料上は特筆すべき事象が無いにも関わらず、満室稼動しているマンションがあることに気づきます。満室であるということは、お客様に選んで頂いているという事であり、そこには何か工夫が存在します。
今回は現場でそういった事例に常日頃接している弊社社員の意見を集め、それらをご紹介させていただきます。
ご紹介させて頂く内容には高い設備投資が必要であったり、募集条件を下げる=収益性を下げるような内容は一切ありません。
■供給過多の現状
現在の賃貸市場は買い手市場であり、ここ近年でも新築マンションがかなりの数で供給されており、供給過多の現状の中、お客様に選ばれる事が必要です。お客様に選ばれる事、顧客ニーズに適っている事が満室経営への近道です。では、マンションはどのように選ばれるのでしょうか?
■インターネットへの情報掲載
御来店頂くお客様のアンケート見ると、物件の情報収集手段が変化してきていることが判ります。
ここ最近では1位がインターネット(35.2%)、2位が情報誌(19.8%)、3位が口コミ・その他(10.0%)ですが、2~3年前であれば情報誌や口コミにて御来店頂くお客様が主流でした。
近年はお客様の情報収集の手段はインターネットが主流であり、インターネットへの物件情報掲載は必要不可欠となったことは周知の事実かと思います。
弊社のインターネット対策としては、1998年に他社に先駆け自社ドメインサイトを運営しており、自社の物件情報システムと連結したサイト運営に取り組んでおります。
また、賃貸ポータルサイト(Home'S等)への物件広告掲載、SEO(検索エンジン最適化:Yahoo!JapanやGoogle等への対応)・SEM(検索エンジンマーケティング:オーバーチュア広告・Jword等の利用)や、ターゲット別特化サイト(学生向け、OL向け、ファミリー向け)・携帯サイトなどが挙げられます。
前述のとおり最近のお部屋探しの特徴としてインターネットによる情報収集が主流となっており、事前にインターネットで情報を検索して希望物件を選び、不動産業者を訪れるケースが非常に多くなっています。
インターネットにて10社程検索し、その中でHPの見易さ・使い易さを感じたサイトから情報量の多そうな不動産業者を絞込み、物件情報を検索。希望に合った物件情報をプリントアウトして持参され、希望物件の案内のみを希望される方も年々増えてきておられます。
そのような傾向からも、HP上の物件検索で表示されない物件は、お客様の目に触れる事すらないということも充分に懸念し得る現状です。
では、インターネット検索の一連の流れは現状どの様になっているのでしょうか?
当社のホームページでは、物件情報への入り口として駅検索・エリア検索・キャンパス検索・地図検索・新築検索といった検索ページと、オススメ物件・パノラマ(動画)特集といった特集ページを設けることで対応させて頂いております。
例えばエリア検索にて条件を絞り込んで行きますと、間取り、条件帯、こだわり条件と入力していくのですが、当社の場合、12個程の拘り条件にて絞り込めるようになっています。
サイトによっては30~40項目にて条件を絞り込むようにしているところも有りますが、当社の場合は多くの物件情報をお客様の目に届くようにと、あまり絞り込めないように現在はしています。
そのようにして検索を進めていきますと物件の詳細情報が個別に表示されるのですが、条件から設備など出来る限り詳しく掲載できるよう取り組んでいます。
そこには、室内写真やパノラマ(動画)写真など掲載させて頂いていますが、実物を見る事ができないインターネット上では、参考となる写真の有無は重要なポイントと成り得るところですのでもしご自身の物件にて写真が無いなどの際には最寄の営業所にご連絡頂ければと思います。
しかし、インターネット検索にて来店されでも検索物件が期待外れのケースも多々有り、契約の全てをインターネットのみにて済ませるお客様はまだ少数の為、来店時にターゲットを絞り他の物件紹介など、来店→案内→決定という流れを踏む運営に取り組んでいます。
動産=現物確認せずに購入可能(例:時計・電化製品・洋服等)と不動産=現物確認の契約が一般的なことからも、賃貸マンションはまだまだ案内が必要不可欠であり、「紹介しやすい物件」であれば来店時に充分対応できると考えています。
■「紹介しやすい物件」とは?
営業社員はお客様が来店された際に、インターネットで検索し案内を希望された物件のみを紹介する訳ではありません。もちろん比較対象となる物件も一緒に紹介します。
ですが現状としてそれぞれの営業社員が担当エリアに立地する膨大な数のマンションを全て把握しきれているわけではありません。見たことも無く、知らない物件はそのお客様への紹介の場面に登場しにくいのが現状といえます。やはり営業社員自身がマンションの設備や周辺環境などを熟知している物件が、自ずと紹介する場面に多々出る事となります。
他には、物件の磨き上げが行われているマンションが紹介されやすいといえます。例えば、エントランス・廊下・駐輪場等共用部分の美観、清潔感、明るさ(夜間)などキーワードは「安心感」として営業社員の印象にも残るのではないでしょうか。
また、オーナー様と常に連絡が取れる事、オーナー様にこまめに仲介業者へ足を運んで頂いている事、空室発生後直ちに修繕を行っていただき修繕済みのより良い印象の部屋を案内させて頂ける事、案内用鍵が現地にある事、複数の募集条件や条件相談への対応が柔軟・即答である事、入居中のトラブルへの対応が迅速である事、オーナー様と営業社員とのコミュニケーションが密に取れている事などが「紹介しやすい物件」の要因として必要不可欠であると思われます。
物件資料に記載されない部分でマンションのセールスポイントを作り、営業社員に特別なセールスポイントを持たせる事で、大きな投資をしなくとも認知度の高い「紹介しやすい物件」化は可能であると思います。
■退去数を減らす工夫を!
新規成約数を増やす事と同時に、退去数を減らす取り組みも賃貸経営には非常に重要ではないでしょうか。
例えば入居者との良好なコミュニケーションはもちろんの事、季節の生け花やクリスマスイルミネーション等は効果的であり、設備の故障時に迅速・丁寧に対応して頂き、長期優良居住者には優遇措置を取るなども効果的です。
そもそも退去者が存在しなければ、空室問題そのものが生じなくなります。
長引く借り手市場に加え、原状回復問題や更新料問題等賃貸マンションオーナー様を取り巻く環境は決して良いとは申し上げられません。敷金礼金無しや賃料ダウン等の募集条件の劣悪化や大型リフォーム・建替え等非常に大きな資金投資を強いられるようなご提案ばかり耳にされている事と思います。
しかし、工夫如何でまだまだ満室経営は可能です。今回ご紹介させて頂きました例はほんの一部に過ぎませんが、今後の賃貸経営において最も大切な事はオーナー様がご自身のマンションに愛着を抱いていただき、経営者として積極的に行動していただく事ではないかと考えます。
又、私ども不動産業者は仲介分野や管理分野等で、皆様の大切な資産運用のお手伝いをさせて頂いてるという責任感を自覚し、情報のご案内やご提案等をさせていただくのが義務であると考えています。
弊社は平成20年に創業30周年を迎えさせていただきますが、これも一重に皆々様の長きに渡るご厚情あっての賜物と感謝しております。今後とも、皆様と共に歩ませていただける京都ライフであり続けられるよう、今一層の努力をして参りますので、今後とも弊社をお引き立て賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
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