やってよかった境界確認!!

2009年06月10日

平塚泉土地家屋調査士事務所 平塚 泉

6月度財産ドック定例セミナーは平塚泉土地家屋調査士事務所の平塚泉氏より境界確定作業についてお話を頂きました。

資産家の皆様におかれましては、昨今の不況下の中さまざまの対策が右肩上がりから、右肩下がりになり本当の節税対策が難しい時代です。
不動産所有されている方は管理にかける費用も高額です。いつ何時資産の売却処分や物納等のための土地測量が必要になるかわかりません。
また物納においては平成18年の税制改正により厳格化され、基準に満たないものや、提出書類に不備が有っては認められません。下記をご確認下さい。

1.「物納不適確財産」及び「物納劣後財産」が明文化されました。

I 「物納不適確財産」→このままでは物納が認められない財産
●抵当権が設定されている不動産
●境界が不明確な土地等
●借地権者が不明な貸地
●他の土地に囲まれて公道に通じない土地で、民法上の通行権を有しないもの
●他の財産と一体で管理処分される財産で、単独で処分することが不適当な財産
●敷金等の債務を国が負担しなければならなくなる貸地・貸家等
●公の秩序、又は善良の風俗を害するおそれのある目的に使用されている不動産

II 「物納劣後財産」→他に物納可能な財産があると、物納が認められない財産
●市街化調整区域内の土地
●接道条件を充足していない土地
●法令の規定に違反して建築した建物及びその敷地
●地上権・永小作権その他用益権の設定されている土地
●都市計画法に基づく開発許可が得られない土地
●土地区画整理事業の施行地内にある土地で、仮換地の指定されていない土地
●生産緑地の指定を受けている農地、及び農業振興地域内の農地


2.物納手続の期限が最大1年間に限定されました。

原則は、物納申請時までに下記必要書類を全て揃え、提出しなければなりません。

<提出書類>
(1)地図等(所在図、公図の写し)
(2)登記事項証明書
(3)用途地域等の確認調査
(道路・水路の調査、都市計画に関する調査)
(4)地積測量図
(5)境界標の設置
(6)境界の確認(「境界確認書」「道路査定」)
(7)工作物の越境等の整備

ただし、やむを得ない事情がある時は延長が認められますが、その場合は一度に付き3ヶ月までで、最長1年間しか認められなくなりました。

このように、物納においても高度なノウハウと専門性をもって準備を徹底することを余儀なくされております。
また中でも境界確認については、測量によって確認済みとの誤認が多く、実際には役に立たず問題解決を遅延させる原因となることが多いようです。

それでは先ず、測量といってもどのような測量があるのか確認しましょう。
下記に列挙しましたとおり、8項目ぐらいの測量が考えられます。一般の方は全て測量で済ましておられますが全て違いがあります。先ずはそれをご確認ください。

I 土地測量の色々なパターン
●任意の測量(概略測量)依頼者指示
●建築に伴う敷地測量(確認申請用)
●売却に伴う敷地測量(物件説明用)
●固定資産税の非課税資料としての測量
●分筆登記、地積更正登記に伴う測量
●裁判のための測量
●官民明示のための測量(払い下げ等)
●物納のための測量

II 公共基準点からの測量
●測量法の改正により世界測地系からの測量が必要
●登記所には街区基準点のデータが配置済

これらのように様々なパターンの測量に分類され、よく「法務局に測量図がありますので大丈夫」と思っておられる方が多いようですが、法務局の地積測量図は年代により、境界確認作業に直ぐ利用できるか出来ないかの判断が分かれます。
また、これらの測量の中で境界を証明すると認められるは分筆登記、地積更正登記に伴う測量のみとなるようです。
次に皆様が境界確認をしておくと助かったという事例を挙げてみます。

●特に道路関係等、将来に渡り互いの境界管理が楽になった。
●道路負担の土地について財産的な価値が明確になった。(商品化)。
●残地所有者等、固定資産税の税負担が適正になった。
●建替えなどの際、計画がし易くなった。
●紛争性が無くなり、相隣関係に信頼感が出来た。
●相続時に物納がスムーズに利用できた。
●銀行との間で担保物件として明確化に即対応できた。

このような事例はほとんどの方が経験される内容ではないかと思います。
いずれにせよ境界の確認については調査士に依頼して確定することで本当に使用できる書類とし、日頃から準備しておくことが賢明と考えられます。

プロパティマネジメントとし皆様のサポート役である財産ドック株式会社では資産管理を通じて発生するお悩みについて、事後対策ではなく事前の準備をご提案差し上げる存在でありたいと思っています。
境界確認について明確に準備徹底をお考えの方はお気軽にご相談ください。


株式会社 京都ライフ 今出川店

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