どうする賃貸リフォーム!?

2010年11月12日

京都ライフ 真下 康宏

11月度財産ドック定例セミナーでは、これからの賃貸マンションの経営における空室対策のリフォームやリノベーションの考え方について、幣社リフォーム部の真下より公演をさせていただきました。

現在の賃貸市況と、これから求められる賃貸経営について

物件間の競争
賃料downでしのぐ
当初の収益計算の誤差が生じる
設備投資の費用が減少
物件の魅力が減少しさらに賃料down
(表1)値下のみの空室対策のデメリット

現在の賃貸マンション・アパート経営としてよくあるリフォーム事例は、入居者の退室に伴い、壁紙の張替えやハウスクリニーング等を行い、次の入居者に備えるというパターンです。

「駅近」「築浅」など、それだけで価値がある物件の場合、上記のような経営で十分な入居者を確保できるかもしれません。

しかし、現在の賃貸市況は人口の減少・マンションの供給過多という情勢から借り手市場になりつつあり、「駅近」「築浅」などの特性を持たない多くの物件が入居者から選ばれる立場となっていきます。

賃貸物件空室の現状
空家665万戸(全体の12%)
10件に1件がすでに空き家
少子高齢化
更に借主が減少
現状賃料が底値
積極的経営が必要
5年・10年後に備える
(表2)これから考慮される賃貸市況

では、これからの賃貸市況を考慮したうえで、入居者に選ばれるような物件を経営していくにはどのような対策が必要なのでしょうか。

インターネットの普及により入居者は情報を容易に仕入れることが可能になりましたので、インターネットに掲載されている外観写真や室内写真である程度の物件選別をする方が増えてきました。
当然ながら、駅からの距離やお部屋の広さは変えることができません。

そのような中から選ばれるということは他の物件との「差別化」「物件の付加価値」が必要とされる時代が到来するということです。(表1)

そこで入居者が求めている「物件の個性」や「設備・サービスの充実」といった付加価値が必要となります。 他物件と差別化を図り、賃貸経営の中でしっかりと入居者のターゲットを絞り、そこに合わせた物件力の強化が重要となってくるのです。(表2)


物件の付加価値を高めるリフォーム事例

◆デザイン性の向上(デザインリフォーム)

物件の付加価値を高める対策としまして、まず見た目にポイントおく場合、壁紙クロスの色調に変化をつけてみるのはいかがでしょうか。デザインクロスを壁の1面に貼るだけでイメージが大きく変わります。(※1)単価で3,000円~4,000円のUPで可能です。全面に使用する必要は無く、一部の変化だけでも見た目の印象は大きく変わります。

また、玄関の踏み込み部分に塩ビタイルを使用して変化をつけてみましょう。(※2)玄関はご案内時でも室内で最初に目につく部分で、お部屋の印象が一気に変わります。

簡単にできるデザインリフォーム事例
(※1)デザインクロスで雰囲気を変えた洋室 (※2)塩ビタイルを使用した玄関の踏み込み

◆新しい設備の導入

次に新しい設備の導入です。例えばTVモニターホンや電子錠等(※3)、浴室乾燥機や浴室TVです(※4)。15年、20年前には無かった新しい設備が次々に開発・導入されています。
弊社は、仲介部署で収集したお客様のニーズをリフォーム部にフィードバックすることにより、実際にお客様がどのような設備を求めているのかを常にご提案できる状態ですので、入居者ターゲット選別の際にぜひ活用していただきたいと思います。

新しい設備の導入例
(※3)TVホンや電子施錠等防犯性を高める設備 (※4)浴室乾燥機、浴室TVなど

◆入居者のターゲットを絞ったリフォーム

そして入居者のターゲットを絞ったリフォームのご提案ですが、よく出てくる事例としまして「ペット共生」に着目したものがあります。
例えば、ただお部屋内でペットが飼えるということではなく、共有部分にペットの足洗い場を造作したり部屋のドアにペット用扉を装備させたりなど、ペットにも住みやすい環境を追求していく形が新築マンションで見受けられます。(※5)
考え方としまして、ペットも住人の一部であり、ペットが住むことを前提として「ペット共生型マンション」作りをする。これが住んでいただくターゲットの選択(この場合はペットとの共生をする方)を行った賃貸経営となります。
他にも大型バイクを好きな方用に個人の駐輪スペースを用意されたり(※6)、楽器を演奏できるように防音室を用意されたりするマンションもあります。

他のマンションに無いものを付加価値として入居者さんにアピールできれば入居率も高いレベルで維持できていくのではないでしょうか。

ターゲットを考慮したリフォーム事例
(※5)共有部分のペットの足洗い場 (※6)バイク好きに嬉しい個人の駐輪スペース

リフォームに伴う収支のシュミレーション

<収支のシュミレーション>
賃料5万円で全10室
現状空き部屋が2部屋
この先3部屋空き部屋になるだろう(予想)
収益540万円→420万円=120万円(減益)
120万円×5年=600万円
600万円を目安にリフォーム
積極的経営が必要
5年・10年後に備える
(表3)シュミレーションでの着地点の割出

さて、賃貸リフォームの様々な事例を説明させていただきましたが、実際にリフォーム・リノベーションを行う際の費用が気になるのではないでしょうか?
特に外装を塗り替えたり、建物すべてのお部屋の設備を入れ替えたりする際、コストは高くなってきます。

そこで重要となってきますのが収支のシミュレーションです。先行投資する額をしっかりと試算した上でコストの回収を確実に行える着地点を見出します。(表3)

安く抑えても中途半端に変化をつけても良い結果になる可能性は低く、逆にいくら多額な費用をかけても回収できなければ先行投資する意味が無くなってしまうので注意が必要です。


これからの賃貸物件経営はターゲットを絞った上で、その特性を追求した個性的な運営が求められていきます。入居者目線を忘れることのないように物件に適切な投資をされることが今後のポイントになるのではないでしょうか。

お持ちのマンションの広さやどの程度のリフォームを行うかによっても、コストや条件は変わってきます。弊社管理部では上記以外にも空室対策としてリフォームやその他様々なご提案をさせていただきますので、お気軽にご相談・ご質問等、お尋ねいただければ幸いです。

財産ドック 株式会社 事務局

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