いつも会議室やホテルにて講師の先生を招き勉強会を行っている当セミナーですが、６月度セミナーは趣向を変え、積水ハウス株式会社様のご協力により、総合住宅研究所「納得工房」「関西住まいの夢工場」の２施設の見学会を開催いたしました。
今回はこの２施設の体験レポートを掲載させていただきます。

当日は大型バスにて、「総合住宅研究所」がある奈良との県境・木津川市へ。
会場内では２班に分かれ、積水ハウスの営業・設計スタッフ様の誘導・案内により、午前中は住まいの体験学習施設「納得工房」、午後からは共同住宅（鉄骨住宅）の強さの仕組みを様々な角度から体験できる「関西 住まいの夢工場」の見学を行いました。
すべての施設がその名のとおり実際に体験し、自分で試しながら楽しんで役立つ知識の習得ができるアトラクション型となっており、アミューズメントパークに来たような感覚で様々な施設を見学しました。

納得工房
～体験学習を通じて「理想の住まい」を追求する場～

・住まいの総論ゾーン

サステナブル（持続可能な）という社会的なテーマを住宅という視点から考えるコーナー。人が住まいで快適に暮らすうえで発生するのＣＯ2の量を、杉１本あたりのＣＯ2吸収量に例えながら、二酸化炭素が引き起こす温暖化現象を身近な問題として提議。また住宅から排出されるＣＯ2の量を経年で比較し、削減量や光熱費の新旧の違いを具体的な数値で示しながら、地球環境に対してどう取り組めば良いかを探ることができました。

・性能／構造ゾーン

地震大国・日本に住むうえで知っておくべき地震のメカニズムを紹介。建物が固有に持つ振動周期と地震の周期が一致したときに起こる共振現象の原理を振動台の模型を使ってわかりやすく説明してくれるコーナー。建物の地震対策として、耐震・制震・免震の３つの原理を理解し、なかでも昨今注目度の高い免震住宅の構造について視覚的に学ぶことができました。

・生涯住宅ゾーン

ユニバーサルデザインをコンセプトに、老化・妊婦・片麻痺・リウマチなどの状態を、拘束器具をつかって体験。老化現象などによるモノの見え方・聞こえ方についても疑似体験し、身体の衰えを住まいの機能でサポートする必要性を実感しました。その他、車いす生活を疑似体験し、廊下の幅や段差・手すりの位置、扉の開け閉めなど車いす生活者の方にとっての作業性を検証しました。

・照明ゾーン

光の当て方によるモノの印象の違いや、白熱灯や蛍光灯の特性など、あかりの基礎知識を整理するとともに、新しい光源として注目されているＬＥＤの効果的な使い方を紹介。さまざまな照明器具を用いたシミュレーションで室内の雰囲気の変化を確認し、食事やだんらん、くつろぎなど生活シーンによって最適な照明が異なることを視覚的に学ぶことができました。

【参考】 積水ハウス：総合住宅研究所 納得工房ページ

関西 住まいの夢工場
～住まいのことを楽しみながら学べる体験型施設～

・体験！地震ラボ

耐震住宅のテクノロジーを学べる施設で、オーナー様方にも実際に震度４・震度７の揺れを体感していただきました。また地震エネルギーの吸収実験や、地震の二次災害として起こる火災に対する外壁の耐火実験などを、アトラクション感覚で体感しました。東北大震災の影響もあってか、オーナー様方もとくに高い関心を示されていたようです。

・ライフスタイル提案

シングルライフを楽しむ２０～３０代の入居者ニーズをターゲットとした間取り（１Ｋ）と、団塊ジュニアの新婚ファミリーをターゲットとした間取り（２ＬＤＫ）を実際のお部屋で比較体験。スタイリッシュで洗練されたデザインと高い機能性を両立した設備の数々にオーナー様方も興味深深。入居者が求める共同住宅の最新のトレンドを刺激的に体験することができました。

・生活騒音体験

クレームや退去原因としても常に上位にランキングされる共同住宅の騒音問題をテーマに、（１）従来木造（２）鉄骨ＡＬＣ造（３）高遮音床システム（ＳＨＡＩＤＤ５５）の３種類の床材仕様の違いによる、遮音性能の優劣を実際に比較体験できるコーナー。安定経営に直結する内容とあって、こちらもオーナー様方の関心が非常に高い施設のひとつでした。

【参考】 積水ハウス：総合住宅研究所 関西 住まいの夢工場ページ

限られた時間の中で、しかも各所で質疑応答がたいへんに活発におこなわれたこともあり、とてもすべての施設をまわることができず、終了後「もっと見たかった」というオーナー様の声も多く聞かれました。
課外授業のような今回のセミナーは大変好評でしたので、今後も定期的にこのような見学会を開催していきたいと考えております。今回参加されなかったオーナー様も次回は是非ご参加いただき、ご自身の賃貸経営ライフにお役立ていただければと存じます。

株式会社 京都ライフ 貸地バンク事業部