確定申告、こんな話、あんな話

2011年01月13日

税理士法人 貝崎 謙一郎

平成23年1月13日京都ライフ本社会議室にて、税理士の貝崎先生に平成23年度税制改正大綱の話を中心に公演いただきました。

平成21、22年度税制改正

1.平成23年分の所得税から適用されるもの

(1)扶養控除の見直し
(イ)年齢16歳未満の扶養親族に対する扶養控除が廃止されました。これにより、扶養控除の対象が年齢16歳以上の扶養親族となりました。
(ロ)年齢16歳以上19歳未満の人の扶養控除の上乗せ部分(25万円)が廃止され、これらの人に対する扶養控除の額は38万円となりました。これにより「特定扶養親族」の範囲は年齢19歳以上23歳未満の扶養親族に変更されました。
(2)上場株式等の取得費の特例
平成13年9月30日以前に取得した上場株式等の取得費の特例については、平成22年12月31日の運用期限の到来をもって廃止されました。

2.平成24年分の所得税から適用されるもの

生命保険料控除の改組
(1)平成24年1月1日以後に締結した保険契約等(新契約)
(イ)生命保険契約等のうち、介護(費用)保障または医療(費用)保障を内容とする主契約又は特約に係る支払い保険料について、介護医療保険料控除(適用限度額4万円)が設けられました。
(ロ)新契約に係る一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除の適用限度額は、それぞれ4万円とされました。
(2)平成23年12月31日以前に締結した保険契約等(旧契約)
旧契約については、従前の一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除(それぞれ適用限度額5万円)が適用されます。

平成23年度税制改正大綱

【所得税】

1.給与所得控除の見直し
(1)給与所得控除の上限設定
その年中の給与等の収入金額が1500万円を超える場合の給与所得控除については、245万円の上限が設けられます。
(2)役員給与等に係る給与所得控除の見直し
その年中の給与等のうち、給与等の支払者の役員等が支払いを受ける役員給与等の収入金額が2000万円を超える場合の、その役員給与等に係る給与所得控除については、次の掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定める金額とされます。

◆平成24年度分以後の所得税及び平成25年度分以後の個人住民税について適用されます。


2.退職所得課税の見直し

その年中の退職手当等のうち、退職手当等の支払者の役員等(役員等としての勤続年数が5年以下のものに限ります)が、その退職手当等の支払者から役員等の勤続年数に対応するものとして支払を受けるものに係る退職所得の課税方法について、退職所得控除額を控除した残額の2分の1とする措置が廃止されます。

◇平成24年分以後の所得税について適用されます。個人住民税は、平成24年1月1日以後に支払われるべき退職手当等について適用されます。

3.成年扶養控除の見直し
(1)成年扶養控除の対象の見直し
居住者が、次に掲げる成年扶養親族(扶養親族のうち、年齢23歳以上70歳未満のもの)を有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額等からその成年扶養親族1人につき、38万円を控除するこことされます。
(イ)特定成年扶養親族
(ロ)特定成年扶養親族以外の成年扶養親族(その年の合計所得金額が400万円以下である居住者の成年扶養親族に限ります)
(2)負担調整措置
その年の合計所得金額が400万円を超える居住者が、特定成年扶養親族以外の成年扶養親族を有する場合には、上記(1)には該当せず、控除を受けることが出来ないため、一定の負担調整措置が設けられます。
◇平成24年分以後の所得税について適用されます。
4.金融証券税制

上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る10%の軽減税率(所得税7%、住民税3%)の適用期限が、2年延長され、平成25年12月31日までとなります。

【法人税】

1.法人税の引き下げ

※1 平成21年4月1日~平成23年3月31日までの間に終了する事業年度に適用されています
※2 平成23年4月1日~平成26年3月31日までの間に開始する事業年度に適用されます。
   尚、平成23年4月1日前に開始し、かつ、同日以後に終了する事業年度については、経過措置としての現行の18%が適用されます。
◆平成23年4月1日以後に開始する事業年度について適用されます。


2.減価償却制度

平成23年4月1日以後に取得をする減価償却資産の定率法の償却率は、原則として、定額法の償却率(1/耐用年数)を2・0倍した数(現行2・5倍)とされます。

【相続税】

1.相続税の基礎控除
2.死亡保険金に係る非課税限度額
3.相続税の税率構造

【贈与税】

1.贈与税の税率構造

相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産に係る贈与税の税率構造について、次の通り見直されます。

(1)20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産に係る贈与税


2.相続時精算課税制度の適用要件

◆上記1、2は原則として平成23年1月1日以後の贈与により取得する財産に係る贈与税について適用されます。


所得税が上がり、法人税が下がる。相続税が上がり、贈与税が下がる。大まかにいうとこのようになるのではないでしょうか。資産家には相続発生時までお金を貯めておかず、どんどん使ってもらいたいということだと思います。マンションオーナー様にとっては、大きな税負担がかかることになる方もあるかもしれません。今回の税制改正で名義を個人から法人化、相続税対策の組み直し等必要になられるオーナー様も多くいらっしゃると存じます。


財産ドック(株)では、皆様の顧問同様、税制面でのご相談も随時受け付けさせていただいておりますので、ご質問等ございましたらご遠慮なくお問い合わせ下さい。 どうぞ、宜しくお願い致します。

株式会社 京都ライフ 企画管理部南営業所

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