資産運用と防衛の実践セミナー 2012年 春

2012年05月17日

(株)関西総合鑑定所 不動産鑑定士 山口 将史
税理士法人総合経営 長谷川 佐喜男
賃貸あんしん保障(株) 増井 啓司
(株)アーネット 和嶋 久人

 去る5月17日、メルパルク京都にて「資産運用と防衛の実践セミナー 2012年 春」が開催されました。当日には多数のオーナー様にご参加いただき、誠にありがとうございました。
以下、3部構成で行なわれましたセミナー内容につきまして、簡単にはなりますがご報告させていただきます。

【第一部】
"田の字エリア"地価高騰のからくり
~新景観法制定から5年目の現状~

(株)関西総合鑑定所 不動産鑑定士 山口 将史

【第二部】
実例で解説!不動産の現状分析
~プロが教える賢い資産の組み換え術~

税理士法人総合経営 公認会計士 長谷川 佐喜男

【第三部】
悪質な滞納問題を考える
1)不良入居者は入口でシャットアウト

賃貸あんしん保障(株) 増井 啓司

2)起こってしまった長期滞納の解決にむけて

(株)アーネット 和嶋 久人

【第一部】
"田の字エリア"地価高騰のからくり
~新景観法制定から5年目の現状~

(株)関西総合鑑定所 不動産鑑定士 山口 将史

 "田の字エリア"とは京都市内の大型幹線道路に囲まれた地域を指し、ここでは、北は丸太町通り・南は五条通り・東は河原町通り・西は堀川通りに囲まれた碁盤の目エリアとさせていただきます。

1、近年の地価動向

 まず、全国的に見た最近の地価動向は、リーマンショック後4年連続で下落から現在は下落幅は縮小傾向にあります。
 震災の影響で市場は一部停滞しましたが、被災地を除く地域は比較的早期に回復傾向にあります。京都市におきましても下落幅が縮小し、中でも"田の字エリア"がある中京区・下京区の商業地は平成24年にはプラスに転じました。

2、新景観政策の影響について

 次に平成19年9月1日に施行されました新景観政策の影響についてです。
施行時、京都以外の都市部における地価はまだまだ上昇拡大傾向でした。しかし京都市の、特に田の字エリアでは規制強化により、市場が停滞し、上昇機運が一気に鈍化しました。
 ただ、その1年後のリーマン・ショックによる全国一斉に下落によって、新景観政策による地価への影響度合いは見えなくなってしまいました。

 現在は景気が上向きつつあります。田の字エリアのマンション需要も高まり、新景観法規制内でも高さ・容積が採れるため採算性の高い幹線道路沿いがマンション建設ラッシュです。田の字エリア地価高騰の背景は、現状の田の字エリアでのマンション市場の好調さがあります。高値取引が起こるとその取引が一つのベンチマークとなりその周辺においても取引価格が上昇している状態です。

 田の字エリアは当面、旺盛なマンション用地需要と不動産投資環境の改善により好調が持続される見込みです。ただ、需給ギャップが起これば再び逆回転が始まってしまいます。

 田の字エリアにおける賃貸物件所有のオーナー様、不動産投資をお考えのオーナー様はご参考までにして頂ければ幸いです。


【第二部】
実例で解説!不動産の現状分析
~プロが教える賢い資産の組み換え術~

税理士法人総合経営 公認会計士 長谷川 佐喜男

 セミナーでは不動産の現状分析の実例として3つのケーススタディをご紹介いただきました。レポートでは内容を割愛させていただき、そのうち1ケースをご紹介いたします。

◆御高齢で入院中の女性A氏の御相談

<現状の問題点>
(1)貸家(古家)貸地が多く、遺産の内不動産の割合が多い。
(2)賃料滞納が多く契約書がない。
(3)不動産の共有名義がある。
(4)先夫の子供がいる為、争族につながる恐れ。
(5)認知症のため遺言が作成できない、等。

生前対策として、下記の対策を打たれました。

<生前対策>
(1)登記・契約書把握など不動産の現状分析をする。
(2)権利関係の把握と整理をする。
(3)近隣相場に合わせた賃料の見直しをする。
(4)契約書の作成・不良賃借人の立退き交渉をする。
(5)古家(空家)を取壊してアパート建築をするなどの有効利用をする。
(6)生前贈与:等価交換により共有名義の解消をする。
(7)分割案の事前提案を行う、等。

 結果、分析後に実額相続が発生。不動産の事前調査により相続税申告(10ヶ月期限)がスムーズに終了。相続税節税・納税資金の確保、義理の兄弟間での分割を事前に調整したため争族の回避が出来ました。

 また、大震災後の不動産の鉄則としてお話がありましたので、以下にポイントを列挙します。

◆大震災後の不動産の鉄則

  • A.不動産の地価は利便性で見極める。
  • B.不動産投資は値上がり期待ではなく、安定収入の継続に重点。
  • C.不動産は「長期保有」を前提としない。
  • D.マイホームは一生住み続けるとは限らない。
  • E.不動産は金融に振り回される。
  • F.お金を借りることに慎重になる。
  • G.広い家ほど空家になる。

 震災後、不動産情勢の展開が読みづらくなっております。資産組み換えをお考えの際には、一度専門家にご相談いただくことをおすすめいたします。

【第三部】
悪質な滞納問題を考える
(1)入口(入居前)でシャットアウト
(2)起こってしまった長期滞納の解決に向けて

 長引く不況の影響、生活保護受給者の増加、平均所得の下落などの社会的背景が滞納者の増加へとつながっており、強い賃借権に守られた長期滞納者に頭を悩ませておられるオーナー様もおられるかと思います。
 第三部では悪質な滞納問題について、入居前の対策法と入居後に起こってしまった滞納問題への対処法について、2部構成でお話をいただきました。

(1)入口(入居前)でシャットアウト

賃貸あんしん保障(株) 増井 啓司

 賃貸経営に適した顧客を確保するためには、入居時に厳密な審査・適切な連帯保証人の取得を行う必要があります。しかしながら連帯保証人については長引く不況の影響からかその支払い能力の喪失が懸念され、そこで登場したのが各種家賃保証会社による家賃保証制度です。

 一般的な信販系保証会社は、厳格な審査による承認率の低さがデメリットとなっておりますが、当社も提携している賃貸向けの「ライフあんしんプラス」は通常の信販系保証会社と比べ、家賃保証について高い承認率があり、入居者様・オーナー様共にメリットの高い商品となっております。


(2)起こってしまった長期滞納の解決に向けて

(株)アーネット 和嶋 久人

 入居後滞納が起こってしまった場合、保証会社に加入していればほとんどの際カバー出来るのですが、保証会社未加入の案件におきましても賃貸不動産入金管理会社へ委託するという方法があります。

 訴訟となれば一般的には判決から3~4ヶ月、法的手続きを無視されれば強制執行となり、5ヶ月以上の期間がかかる上、多額の費用がかかる場合もございます。
 業者委託をすれば家賃取立てによる逆訴訟などのリスク回避が出来、交渉に関するコストを負担することなく解決の推進を図ることができます。費用に関しても着手金・交通費・通信費などは不要で、賃借人からの入金があった場合にのみ委託料を支払う仕組みです。
 当社でも、1年以上滞納した行方不明の悪質入居者の案件を委託したところ、わずか1ヶ月で回収できたという事例もございました。


 全ての問題を解決、とはいかないかもしれませんが、お困りのオーナー様がおられましたらお近くの京都ライフへお気軽にご相談下さい。微力ながら全力でご対応させていただきます。
 また、財産ドックFPの先生方以外にも、今回の講師の方のように家賃滞納のスペシャリストの講師もおられ、実際にその場で相談されているオーナー様もおられます。スピーディな時代の流れにスピーディに対応する為にも、財産ドックセミナーを活用いただけましたら幸いです。

株式会社 財産ドック事務局

一覧に戻る

資産運用のご相談は
こちらから

財産ドック株式会社

財産ドック株式会社

〒604-8186
京都市中京区御池通烏丸東入梅屋町361-1 アーバネックス御池ビル東館3階 財産ドック事務局(京都ライフ本社内)

TEL075-256-8240

FAX075-344-4664

営業時間9:30~19:00 年中無休(盆・正月を除く)

ご相談はこちらから