資産運用と防衛の実践セミナー 2012年 秋

2012年10月04日

(株)福田財産コンサル ファイナンシャルプランナー 福田 郁雄
税理士法人FP総合研究所 税理士 松原 健司
(株)京都ライフ リフォーム部 真下 康宏

 去る10月4日、メルパルク京都にて「資産運用と防衛の実践セミナー 2012年 秋」が開催されました。

当日は、マンション経営に携っておられるオーナー様に多数ご来場いただき、各専門家による講義、仲介営業を行う現場からの生の声に大変熱心に聞き入っておられました。

以下、3部構成で行なわれましたセミナー内容につきまして、簡単にはなりますがご報告させていただきます。

資産運用と防衛の実践セミナーの様子


【第一部】
全体最適、将来最適の資産運用術
~関係者の立場を考えた、全方位的コンサルの真髄~

(株)福田財産コンサル ファイナンシャルプランナー 福田 郁雄

【第二部】
混迷時代の税制対策
~大切な資産を守り、経営していくために~

税理士法人FP総合研究所 税理士 松原 健司

【第三部】
秋のリフォーム祭 2012
~セミナー来場者限定!人気設備を衝撃プライスでご紹介~

(株)京都ライフ リフォーム部 真下 康宏

【第一部】
全体最適、将来最適の資産運用術
~関係者の立場を考えた、全方位的コンサルの真髄~

(株)福田財産コンサル 福田 郁雄

<アセット・マネジメントによる相続対策>

1、収益不動産が節税対策になる理由

◆時価と相続税評価額の乖離に着目
 相続税の申告は本来、相続税法上時価で申告することになっていますが、時価が不明瞭のため、便宜上財産評価通達(路線価等)で計算して申告を行なっています。
 当然、時価と相続税評価に乖離が生まれます。時価より相続税評価が低くなれば節税となり、逆に時価より相続税評価額が高くなれば増税になります。

 時価より相続税評価額が高い資産は、即刻売却することになります。例えば、無道路地、別荘、崖地、借地権などはその代表的なものです。
 逆に、時価より相続税評価が低い資産は、完成宅地、家屋、借家です。

 完成宅地は時価の約80%、家屋は固定資産評価額となるので時価の約60%、借家は借家権がマイナスされるので、時価の約40%程度になります。この時価と相続税評価額の差が節税の原資となるのです。

 路線価の高い地域の方が低い地域より時価と相続税評価の乖離が大きいので、同じ土地を持つのであるのならば、都会が有利ということになります。

2、納税 期日までに納税する。

 相続税の納税まで10ヶ月しか期間がありません。すんなり遺産分割協議書が締結でき、納付に充分な現金があれば全く問題がありません。ところが、資産家の多くは、不動産はあるのにお金がないというケースが多いのです。

 その場合、不動産を売却して現金化しなくてはなりませんが、遺産分割の協議が進まない・売却する土地の境界で揉め、確定測量ができないため、売却が進まない・売却する土地の開発許可がおりないので、契約はしたものの、決済できない、といった事例が頻繁に見られます。

◆基本的な納税対策
 最も基本的な納税対策は、資産の運用で収益を得て現金を残しておくことです。
 それが追いつかない場合は、納税用に売却する不動産の境界確定や老朽アパートであればリフォームして売却しやすくしておく、などの不動産の商品化(すぐ売れる状態にしておくこと)が大切です。

 納税ギリギリになって、商品化されていない不動産をたたき売ることは、絶対に避けなければなりません。売り急ぎ、狼狽売りが最も不動産の価値を下げる行為だからです。中には、相続前に先行して、不動産を売却して納税資金を確保することもあります。多少、増税になったとしても、狼狽売りで資産価値を減らすより有利だと判断するからです。

3、節税 相続税評価を下げる。

 節税は1、でも説明したとおり相続税評価を下げることです。
 ここで大切なことは、評価だけ下げるのであって、資産の価値を下げるのではないということです。よくある間違いで多いのは、遊休地に賃貸マンションを建てるという行為です。業者から相続対策になるというので、良く考えずに賃貸マンションを建ててしまって、後から資産価値が減ってしまったことを後悔するのです。

 1億円の土地がありました。そこに2億円の建築費で賃貸マンションを建てました。ローンも2億円です。相続税を払うために売却しようと思ったら、2億円でしか売れません。ローンを完済したら何も残りません。1億円の土地を失ってしまったのです。賃貸マンションを建て、土地の資産価値をゼロにしてしまったのです。

 賢い資産家は、ローコストのアパートを複数建て、アパートごと売却してローンを返済した後に、1億円以上残すこともできます。逆に、土地活用によって資産価値を上げたのです。評価を下げて、資産価値は上げる。これが相続対策の大切なポイントです。

◆まとめ

 相続対策&資産設計はいつから始めるべきですかとの質問を多く頂きます。結論は、先手必勝です。どんなに短くても10年はかかると思っておいてください。そして、少なくとも70歳までには完結するのが最善です。

 多くの資産家の方にとって、考え始めた時が動く時です。まずはこれからの自分の人生設計を再設計してみてください。少なくとも90歳までを想定し、必要なインカムを計算しましょう。不動産であれ、金融商品であれ、資産に効率よく稼いでもらうことを考えます。そのためには、適切な資産設計がかかせません。

 相続対策や資産設計において、よきアドバイザーが見つかると心強いものです。アドバイザーには税理士の先生に窓口になっていただくのが最適でしょう。まずは一歩を着手してみることが大切です。

 今、時代の大きな変革期を迎えています。今どのような資産を持つかが、10年後の大きな差を生みます。このことをぜひ、頭に入れておいてください。

【第二部】
混迷時代の税制対策
~大切な資産を守り、経営していくために~

税理士法人FP総合研究所 税理士 松原 健司

1、これからの相続税及び贈与税改正の方向性

 相続税及び贈与税の改正については、本来平成24年度税制改正にて行われる予定でしたが、消費税法改正を先行するという三党合意の決定により、一旦削除され平成25年度の税制改正にて再度検討されることとなりました。

【平成25年度税制改正に見送られた相続税・贈与税の項目】
相続税の
基礎控除引き下げ
相続税の基礎控除額=3,000万円×600万円かける法定相続人の数
(現行:5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)
死亡保険金の
非課税限度額
死亡保険金の非課税限度額=500万円×法定相続人のうち下記の者の数
未成年者・障害者・相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者
未成年者控除及び
障害者控除の引き上げ
未成年者控除=10万円(現行:6万円)×(20歳-年齢)
障害者控除=10万円(特別障害者の場合は20万円)×(85歳-年齢)
(*)現行は6万円(特別障害者の場合は12万円)
相続時精算課税の
見直し
・受贈者の範囲に20歳以上である孫を追加する
・贈与者の年齢要件を60歳以上(現行65歳以上)に引き下げる。
相続税の
税率構造見直し
6段階の累進構造から8段階の累進構造に見直され、
最高税率が55%(現行50%)になるとされています。
贈与税の
税率構造見直し
・20歳以上の者(相続時精算課税選択者を除く)が
直系尊属(父母・祖父母等)から贈与を受けた財産に係る
贈与税の税率構造が新たに設けられることとされています。

・上記以外の暦年贈与に係る税率構造が見直されます。

【修正案附則】
 資産課税については、格差の固定化の防止、老後における扶養の社会化の進展への対処等の観点からの相続税の課税ベース、税率構造等の見直し及び高齢者が保有する資産の若年世代への早期移転を促し、消費拡大を通じた経済活性化を図る観点から贈与税の見直しについて検討を加え、その結果に基づき平成24年度中に必要な法制上の措置を講ずるものとすること。
(注)「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案に対する修正案要綱」より

2、相続税 基礎控除の方向性

 基礎控除の引下げは平成23年度税制改正で実施される予定でしたが廃案になりました。民主党政権は改めて今回の税制改正で消費税法案と一緒に基礎控除を引下げる予定でしたがこれも削除されました。しかしながら今後課税ベースの拡大が予定されていること、及び平成25年度の税制改正で改めて議論する予定となっておりますので今後も動向に注目しておく必要が有ります。

3、贈与税 相続時精算課税制度の概要

 相続時精算課税制度とは平成15年にできた新たな贈与の制度です。

  • 一生涯で2,500万円まで非課税
  • 相続時精算課税に係る贈与財産は、相続税の計算上すべて加算され、相続税で再計算される。

【相続時精算課税制度の主な特徴】

(注1)相続時精算課税制度は65歳以上の親から20歳以上の子に対する贈与にしか適用できません。
(注2)一旦相続時精算課税制度を選択しますと、その親子間の贈与については暦年贈与に戻ることはできません。

  • 将来相続財産に加算されますので、節税効果はありません。
  • 贈与時の評価額が相続時に加算されるまで固定されますので、将来評価が上昇するものであれば相続対策に活用できることもあります。
4、贈与税 相続時精算課税制度の改正案

 当初「相続時精算課税制度」は、高齢者が資産を所有しており、若年世代に資産がないにもかかわらず、暦年課税(年間110万円非課税)ではそれほど財産の移転が進まないため非課税枠を大きな制度を作って財産の移転を促進させようとしてできた経緯があります。
 しかしながら高齢化が進み次の世代に財産を移転しても、すでに一定の財産を所有している世代となっているため贈与後の資金がそれほど消費にまわらないという現象がおこっています。そこで相続時精算課税制度の適用要件を緩和して、もう一世代先まで移転できるような仕組み作りが検討されています。

5、会社を活用して所得分散

一定の要件を満たすと、配偶者など親族へ支払う給与を経費にすることができます。

◆青色事業専従者給与の用件

  • 事業主が青色申告を選択していること
  • 事業主と生計を一にする親族が専らその業務に従事していること
       (他にお勤めをしている親族は専従者にはなれません)
  • 専従者であることについて税務署へ届出をしていること
  • 事業主の不動産賃貸業が事業的規模であること(5棟10室基準)
       アパートの場合・・・独立した室数が10室以上
       貸家の場合  ・・・おおむね5棟以上

◆青色事業専従者給与の注意点

  • 適正な給与を支払っているか?
       従業員であるため、労務の対価としての適正である必要あり
  • 国民健康保健・後期高齢者保健に影響は出ないか?
       所得が増加することで社会保険関係に影響がでる場合があります。
6、相続税(所得税)の節税対策のための法人活用の工夫

【法人と個人の活用による税効果の違い】

◆個人で所有している場合の所得税・相続税への影響
1)建物の評価は圧縮効果により非常に低くなります。
2)相続時精算課税に係る贈与財産は、相続税の計算上すべて加算され、相続税で再計算される。
3)所得がオーナーに集中するため所得税の負担は重くなります。
◆法人で所有している場合の所得税・相続税への影響
1)個人が建物を所有していないため、建物評価の圧縮効果はありません。
2)建物が財産を生んだとしても、法人所有のためオーナーの財産は増えません。
3)所得が分散できるため、所得税の負担は軽減されます。

【第三部】
「秋のリフォーム祭2012」
~セミナー来場者限定!人気設備を衝撃プライスで紹介~

(株)京都ライフ リフォーム部 マネージャー 真下康宏

 この度は問屋との直接提携を行い、セミナー来場者様限定で衝撃プライスの人気設備をでご紹介いたしました。また、リフォームを考えておられるオーナー様におすすめのリフォームパックをご紹介いたしました。

◆物件の価値を高めるリフォームで空室対策

 一般的によく行われている空室対策として、「家賃を下げる」「初期費用を下げる」「フリーレントの期間を設ける」などの対策があります。しかしながら、金銭面さえ落とせばデメリットを解消できるかといえば、そうともいえません。
 昨今のニーズとしまして、家賃の多少の高低よりも、設備や内装の充実したマンションを選ばれるお客様も多くおられます。

▼人気設備ランキング2011 (全国の管理会社331社アンケート回答による)
単身者向け物件
1位 ブロードバンド無料
2位 オートロック
3位 TVモニター付インターホン
4位 浴室換気乾燥機
5位 ウォークインクローゼット
6位 追炊き機能付浴槽
7位 ホームセキュリティ
8位 独立洗面台
9位 洗浄機能付便座
10位 宅配BOX
ファミリー向け物件
1位 追炊き機能付浴槽
2位 システムキッチン
3位 オートロック
4位 ブロードバンド無料
5位 ホームセキュリティ
6位 TVモニター付インターホン
7位 太陽光パネル
8位 浴室換気乾燥機
9位 エコキュート
10位 洗浄機能付便座

 近年、単身世帯におきましてもファミリー物件並みの高機能設備を求める声が増加しています。(右表参照)

 安定した賃貸経営を行うためには、家賃を下げるのではなく、物件自体の価値を高め、他物件との差別化を図るという対策が必要です。

 時代のニーズに合わせた設備を踏まえ、改装を行うことで、一定家賃を確保しながら満室を目指せる物件へと蘇りを図ることができます。

 空室を抱える他の物件との差別化を図ることが第一歩です。設備が古く住みにくいと入居を避けられていた、築古物件こそチャンスなのかもしれません。
物件の価値を上げるリフォームをぜひ一度ご検討下さい。

◆シンプルデザイン パーフェクトリフォーム

弊社のご提案するリフォームの一番の特徴は、柔軟な設計力と確かな技術力を生かした、リフォーム料金に対するクオリティの高さです。

◇ PERFECT REFORM(パーフェクト リフォーム)
~まるで新築のようにお部屋をリフォーム!~

 既存物件の一室(25m2まで)をスケルトン状態か、水周り・壁・床などの総工事を実施するトータルリフォーム。一式約100万円のパック商品となっています。
(※消費税・オプション商品(エアコン・給湯器等)・解体工事・標準工事を超える設備工事費・処分費・図面作成費用等は別途費用になります。※25m2以上の場合、工事に掛かる費用が加算されます。)

 セミオーダー形式で厳選した設備を配置し、お部屋全体を一新させる。低いコストでそれを実現させるリフォームです。

・SIMPLE ORDER REFORM +DESIGN
 壁面にテクスチャを施し、ホテルライクに・・・
遊び心のある造作物や照明でよりモダンな室内を演出するetc・・・。
 パーフェクトリフォームにデザインをプラスすることで、より自分好みの空間を演出する事も可能。コストとデザインが両立した空間をご提供致します。

 お持ちのマンションの広さやどの程度のリフォームを行うかによっても、コストや条件は変わってきます。また、賃貸経営の中でしっかりと入居者のターゲットを把握し、そこに合わせた物件力の強化、差別化を図ることが重要といえます。

 弊社リフォーム部では、空室対策としてリフォームやその他様々なご提案をさせていただきます。リフォームを考えている、空室に悩んでいるオーナー様はお気軽にご相談・ご質問等、お尋ねいただければ幸いです。


 財産ドックでは時代に即した資産運用コンサルティングを皆様に提供させて頂きます。今回ご参加出来なかったオーナー様も、資産運用・相続問題等でお困りごとがありましたら、お気軽にご相談下さい。京都ライフ及びウインズリンク、また各専門FPの先生方にて全力でサポートさせて頂きます。今後とも何卒宜しくお願い致します。

株式会社 京都ライフ 山科店

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