資産運用と防衛の実践セミナー 2013年 秋

2013年10月03日

福井総合法律事務所 弁護士 稲田 真孝
アーキネット京都1級建築士事務所 代表取締役 黒木 幹雄
税理士法人FP総合研究所 税理士 松原 健司

 平成25年10月3日、メルパルクKYOTOにて、財産ドック(株)主催による『資産運用と防衛』をテーマにセミナーが開催されました。

【第一部】
明け渡せと判決を求める
~賃貸経営トラブル回避マニュアル~

福井総合法律事務所 弁護士 稲田 真孝

【第二部】
老朽化物件の再生と実例
~満室経営につながるリノベーションの最先端~

アーキネット京都1級建築士事務所 代表取締役 黒木 幹雄

【第三部】
来る!資産税大増税時代
~平成25年税制改正/不動産オーナーが知って得する税務知識~

税理士法人FP総合研究所 税理士 松原 健司

【第一部】
明け渡せと判決を求める
~賃貸経営トラブル回避マニュアル~

福井総合法律事務所 弁護士 稲田 真孝

弁護士の稲田真考先生による明け渡しを求める方法についての講演は、お話し中にも家主様からの質問も飛び交う活気あるものでした。

明渡しを実現するためには、大きく分けて以下の2つをクリアする必要があります。

  • 1)権利を確定する手続き
  • 2)権利を実現する手続き

権利を確定するための方法として、判決によるものが典型的であり、その他調停や和解などの方法がありますが、契約書の文言に記載されているからといって権利が当然に行使できるものではないという原則があります。
訴訟の多くは、判決後、判決正本を送達し、その後判決が確定、裁判所に執行文の付与を申請して、判決正本に執行文が付与されることがその後の権利行使の根拠になります。

次に、確定した権利を実際に実現する手続きについてです。
強制執行の申し立ての後、執行官による明け渡しの催告が通常二週間内になされ、その催告の日から約一か月で断行(強制執行)が行われます。
また、強制執行において、搬出等の業者の準備について不安な家主様は、執行官に相談すると紹介してもらえるという話もあり、皆さんにとっても興味深い話だったのではないでしょうか。

冒頭にも書かせていただきましたが、講演では家主様と稲田先生との直接の質疑応答がありました。
その中で、契約書の文言にあらかじめ禁止事項等を盛り込んでいたとしても、それにより即時強制退去を請求出来る訳ではなく、判決に至るための要素の一つであるというお話をしていただきました。
契約書条文に基づき入居者様に対応される上で、再確認していただけたのではないかと思います。

不景気が続く世情の中で、家主様にとっては入居率の向上と合わせて頭痛のタネとなるのが対不良入居者という点であり、退去問題に発展する事が多くなっております。
どんな入居者の方でも強制的に退去させることが年々難しくなっておりますので、入居者に対して簡単に退去の話をするのではなく、まず現状の客観的な確認から法的な手続きをご検討頂くようにお願い致します。


【第二部】
老朽化物件の再生と実例
~満室経営につながるリノベーションの最先端~

アーキネット京都1級建築士事務所 代表取締役 黒木 幹雄

第二部は、アーキネット京都1級建築士事務所 代表取締役 黒木幹雄様による老朽化物件の再生と実例についての講演でした。
現状のニーズからかけ離れてしまった物件について、建て替えを含めて再考察し、リノベーションという方法で生き残らせる。その上で、新築物件と比較してメリットを生かし切るという具体的方法について、実例を参考にお話いただきました。 講演に出た中から、私が実際に存じ上げている物件を中心にレポートさせて頂きます。

アーキネット様では、新築と比較してただ安く抑えられるという事が目的ではなく、古い物件の付加価値を探し、斬新な発想によりそれを生かすというリノベーションが行われています。

弊社も仲介させていただいている「M&M,s」という物件は、リノベーション前と現状を比べると、歴然の差があります。旧物件を生かすことが出来れば、建ぺい率の制限を厳しく受けることはありませんし、元々の眺望、立地のアドバンテージもあり、デザインと使いやすさ次第で新築物件と対等に渡り合える物件となり、現状満室です。

テナントビルでは、「つくるビル計画」の事例がありました。このビルは、先日偶然見たニュース番組で取り上げられており、通常の新築マンションでは取材に取り上げられることはほとんど無いことから考えても、リノベーション物件のひとつの特徴であるといえるでしょう。こちらの物件は、外観はあえて古さを残し、共用部分を改装。専有部分は内装を無くし、コンクリート打ち放しの状態で借主に引き渡す「スケルトン渡し」で、借主の好きなように内装できるようにしました。現在、アーティストやクリエーターなど物作りに携わる方のためのアトリエビルとして満室となっております。この物件もリノベーションによりあえて残した古さと自由さ、レトロ感がニーズを捉えた成功例であると思います。

新築物件は、次の新築物件が生まれれば入居者様や潜在顧客様はそちらの方に移ってしまいます。しかし、リノベーション物件は、レトロ感など、その物件独自の特徴に入居者が集まるので、顧客が変動が少なく、長く支持を受けることができます。多様化するニーズを敏感に感じ取り行動に移せば、きっと現状から一歩進んだ賃貸経営が可能になるのではないでしょうか。


【第三部】
来る!資産税大増税時代
~平成25年税制改正/不動産オーナーが知って得する税務知識~

税理士法人FP総合研究所 ゼネラルマネージャー 税理士 松原 健司

第三部では、個人の相続税から法人税、消費税還付まで、幅広くお話いただきました。

現在、全国的規模で消費税増税前の駆け込み需要が高まり、新築案件やリノベーション、転売が多く行われています。
特に新築案件について、京都市内でも積和不動産関西株式会社様等が、多く受託されていました。ハウスメーカーは、相続時の相続税対策としても集合住宅の建設を勧めております。

今回、税金についてのお話の中で、多くの家主様が心配されているのが「相続税」についてでした。
この図からも分かるように、建物による相続税の圧縮効果は、節税対策として数字的に最大の効果を得られます。

また、相続税は平成27年1月1日以後、相続発生分より大幅に基礎控除金額が下がってしまいますのでご注意ください。


また、消費税は、皆様ご存じの通り平成26年4月1日から増税となります。平成24年10月1日までの契約であれば、引き渡しの時期を問わず、引き上げ前の5%での算定となるなどの経過措置による駆け込み需要で、多くの家主様が建設に踏み切られたようです。


今回は、法人税相続税や消費税等について松原先生にご説明いただいた中から、特に家主様からの不安の声が多い消費税と相続税についてリポートさせて頂きました。現在お持ちの資産を有効活用して頂くために、お役に立てれば幸いです。

今回のセミナーでは、総資産の防衛について、税金、建物付加価値、入退去に関しての話が中心となりました。厳しい社会情勢の中で、より一層資産の管理や運用、防衛が重要になって参ります。入居の斡旋はもちろん、その他家主様に関するトータルサポートを当グループにてお手伝いさせて頂ければと思います。これからも末永く宜しくお願い致します。

財産ドック株式会社

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