賃貸満室セミナー ~繁忙期総括2015~
2015年04月09日
京都ライフグループ仲介責任者
リクルート住まいカンパニー 江橋 良明氏
平成27年4月9日、京都ライフ本社会議室にて、4月度定例セミナーが開催されました。今回は、第一部を「賃貸満室セミナー 繁忙期 総括2015」、第二部を「空室対策 最新の消費者ニーズ」と題し2部に渡って行われ、参加されたオーナー様方は皆様熱心に聞き入っておられました。
【第一部】
賃貸満室セミナー 繁忙期総括2015
京都ライフ小倉店 マネージャー 種田智洋
ウインズリンク出町柳店 マネージャー 小川享佑
<京都ライフ小倉店繁忙期総括>
小倉店エリアでは、単身層で5万円台、ファミリー層で7万円台と、京都市内と比較して若干低めの価格帯でのお部屋探しが主流となり、南は木津川市、西は八幡市と広範囲を担当させていただいております。
以前は情報誌での集客がメインでしたが、現在はインターネットによる集客がメインとなっております。こうしたなか、最近ではインターネット上の情報の鮮度と掲載数が重要視されています。当店では、今年の繁忙期に向けてスーモ、ホームズ、アットホーム、いい部屋ネット、Yahoo不動産等の各種ポータルサイトへの情報掲載に力を入れて参りました。あわせて、自社ホームページもリニューアルするなど、当社システム部によるSEO対策のおかげもあり、Yahoo等の検索サイトにおいてもかなりの露出が見られました。反響数は昨年と比較して27%UP、新客数は19%UPと、今年の繁忙期は例年以上に活性化したと感じております。
また今年は、同志社大学京田辺キャンパス近隣物件のハウスメーカーとの連携による契約確保に力を入れました。同志社大学京田辺キャンパス付近の物件は、レオパレスや大東建託などのハウスメーカーが大半を占めております。その為、ハウスメーカーの担当者とコミュニケーションを密に行い、小倉店営業社員の代わりにお客様の内覧に同行いただくなど、共に契約を確保するという形で協力して参りました。こうした努力が功を奏し、契約数は昨年と比較して17%UP、売上22%UPとなっております。
<ウインズリンク出町柳店繁忙期総括>
アパマンショップ出町柳店の繁忙期の客層は、8割が京都大学の学生さんとなっております。そこで当店では、アパマンショップブランドを前面に押し出し、全国規模の安心感で他の地方のからのお客様を取り込む努力をして参りました。そういった地方客のほとんどは、あらかじめインターネットを見てからの来店となる為、インターネット上での露出をいかに上げるかによって来店・契約数が決まると言っても過言ではありません。弊社では広告に重点を置き、全てのネット媒体から漏れなく集客し、ここでも地方客を逃さないように取り組みました。
次に在校生・大学院合格者に多数ご来店をいただけるように、退去のアンケートの確保を秋までに行い、年内までに書面での解約通知を取得致しました。これにより新入生に先んじて部屋探しをしたい在校生・大学院合格者・推薦入学者の囲い込みをすることができます。その際オーナー様には確実な退去予定の情報をお願いし、営業社員は確実な退去情報からの即決を行いました。
こうした努力の甲斐もあり、今年の繁忙期は、集客・契約共に昨年より10%以上増加致しました。
次年度の繁忙期の参考までに、京都大学エリアの特徴である受験生の合格条件付申し込みに関してご説明致します。受験生のお部屋探しのピークは2回あり、1回目は2月下旬(京都大学の受験日付近)、2回目のピークは3月中旬(京都大学の合格発表付近)です。今年は、受験の際に親子一緒に京都を訪れ、お子さまの受験中にご両親が部屋探しを行い、仮申込をするケースが非常に多く見受けられました。仮申込の際には、申込用紙の記入と申込証拠金の受領も行います。受験生の合格率に関してですが、今年のデータでは1月中に仮申込を頂いた方で7割を超え、受験前で6割、発表前で5割とより仮申込が早い方が合格率が高く、自信の表れが早めの行動に直結しているようです。不確定要素が有る為、受験生を嫌われるオーナー様もおられると思いますが、受験時点での申込が増えたことにより、合格発表後のお部屋探しのピークは近年短くなっており、取りこぼしからの長期空室に陥るケースも想定されます。ゆえに受験生の合格条件付確保の活用が重要なポイントになると考えております。
また近年は室内写真の掲載数の増加・精度の向上や、グーグルストリートビューで現地の様子が確認できるということもあり、遠方の方は来京せず、電話やメールでの申し込みをするケースが増えております。インターネット上で他の物件と差別化を図る為に、設備入替やリノベーション等の提案にもぜひ前向きにご検討いただけますと幸いです。
【第二部】
空室対策 最新の消費者ニーズ
株式会社リクルート住まいカンパニー 賃貸営業統括部 江橋良明氏
「インテリアへのこだわり度」「住まいに対する愛着度」に関して東京・ニューヨーク・ロンドン・パリで調査した結果、「インテリアにこだわっている」という回答は東京では欧米の半分程度、「非常に愛着が強い」の割合が欧米の3分の1ということが分かりました。東京は住まいに対する愛着度が弱く、インテリアへのこだわりも低いようです。
考えられる理由としては、欧米と日本の模様替え・改修文化の違いがあります。欧米では賃貸でもDIY(専門業者ではない人が自身で何かを作ったり、修繕したりすること)が当たり前に行われますが、日本ではそのような文化がありません。ゆえに愛着度が低いのはDIYをしない為ということが考えられます。例を挙げると、ドイツの壁紙業者の売上は半分を一般ユーザー・カスタマーが占め、一方日本ではほとんどが専門業者というデータがあります。このことからも、ドイツではDIYが根付いていることが分かります。
日本は衣・食・住のうち、「住」の比重が小さく、住まいもファッションなどと同様に他力ではなく自力に変えていく必要があります。
消費者側のニーズに関しては、以下のデータがあります。
「原状回復をしなくても良い/敷金が引かれない」という想定での回答にはなりますが、リフォームやカスタマイズが出来たらいいのに、と思ったことがある層の割合は、カスタマー全体の9割近くに達していることが分かります。その中でも収納のニーズが高く、壁に棚を付けたい、フックハンガーを取り付けたいなどの小規模なリフォームの要望が多く寄せられました。費用負担に関しては全額自己負担でやってみたいという回答が3割超、それ以外はオーナー負担を求める回答が多く見受けられました。
リフォーム・カスタマイズに際して、オーナー様の方では受け入れていただけるのかということに関しても、次のデータがあります。
こちらも「原状回復の問題」に関しては差し引いた回答となりますが、リフォーム内容が大規模であっても、費用負担に受容性を示すオーナーが大半となっております。
これらのデータから、オーナー・入居者双方にとって「費用負担」と「原状回復の問題」の2点がポイントということが読み取れますが、2014年3月に新たな試みとして「DIY型賃貸借契約」という契約形態が登場しました。
【賃貸借契約の内容】
- 貸主は原則として、入居前や入居中の修繕義務を負わない
- 借主が自己負担で修繕や模様替えを行う
- 借主が自己負担で行った修繕や模様替えの箇所については、退去時に原状回復義務を負わない
- 賃料は市場相場よりも安く設定される
【借主にとってのメリット】
- 自分好みのカスタマイズやリフォームが出来る為、持ち家感覚で生活できる
- 自己負担を加味した安い賃料で借りられる
- 自分が修繕するので、施工方法・材料の選択や、リフォーム業者等との交渉など、工夫次第で自己負担額を引き下げることが可能
- カスタマイズやリフォームした箇所の原状回復義務が免除されるので、退去のトラブルも避けられる
こうした「DIY型賃貸借契約」の認知率はまだまだ低いですが、賃貸の自由化に向けて大きな前進と言えるでしょう。
近年は物件の供給過多ということもあり、同じような物件が多く、物件の差別化が重要となっております。オーナー様側には多大なリノベコストは余力がなく掛けられないが、長期入居をしてもらいたいという、相反する思いがあります。賃貸住宅へのDIY導入に関して、管理会社・不動産業界側はサイトや広告による宣伝や、気軽にDIYを体験できる場の提供を行い、世間により認知してもらえるように努めることが必要です。そしてオーナーや入居者にDIYの魅力を伝えられる担い手を育成し、現場浸透していくことが賃貸の自由化に向けての今後の課題と考えております。
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