こんなとき役立つ不動産鑑定評価

2015年09月04日

関西総合鑑定所 不動産鑑定士 杉若浩孝氏

今回の定例セミナーは平成27年9月4日に『こんなとき役立つ不動産鑑定評価 ~不動産鑑定評価の有益性について~』というテーマで株式会社関西総合鑑定所の不動産鑑定士 杉若浩孝先生を講師に迎え弊社本社会議室にて開催されました。

皆様は「不動産鑑定士」という言葉から何を連想されますでしょうか? まず第一にあげられるのは地価公示となります。ここで地価公示について少し触れておきたいと思います。

【目的(地価公示法第一条)】
一般の土地の取引価格に対して指標を与え、及び公共事業に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し、もって適正な地価の形成に寄与すること。

【効力(地価公示法第一条)】
土地取引を行う者は、当該土地に類似する利用価値がある標準地の公示価格を指標として取引を行うよう努めなければならない。

制度インフラとしての地価公示

そもそも「不動産鑑定評価」というのは一般的に馴染みが薄いものだと思います。そこで今回は具体例をいくつか上げていただきましたので、抜粋させていただきます。

1.訴訟関連

借地借家法に関する場合(継続家賃の評価)、家賃の減額請求に対する鑑定方法の1つとしてスライド法による計算があります。 例えば、平成20年9月4日契約開始で現行家賃が10万円(当時の固定資産税は2万円)だとします。そして平成27年9月4日に家賃減額請求された場合(この時点の固定資産税は1.8万円)
→1.8万円÷2万円=0.9万円
スライド法による賃料は10万円×0・9=9万円となります。

ただしこれは簡単な計算方法の一例であり、現行家賃が妥当であることを前提としています。
賃料増減請求の流れは、次の通りです。

  • 意思表示(口頭・書面を問わない)
  • 当事者間での協議
  • 協議不調の場合は調停
  • 調停不調の場合は裁判

増額裁判が確定するまでの措置としては、賃借人は相当と認める額の賃料を支払う、もしくは供託することになります。また、減額裁判が確定するまでは、賃貸人は相当と認める額の賃料の支払いを請求することができます。この場合、通常は現行賃料を請求します。

2.税務関連

申告納税方式である相続税・贈与税の前提となる財産評価をする場合、次のような流れをとります。
相続・贈与財産の時価の算定が必要

国税庁財産評価基準に基づく算定が不合理な場合

これに代わって鑑定評価での時価算定が特に有効

その際、次の6つの例に挙げたような、特に個別性の強い不動産は鑑定評価が絶対に有効です。

  • 不整形な土地、無道路地
  • 道路と高低差がある土地
  • 敷地内に段差や崖地がある土地
  • 収益性の低い賃貸アパート・マンション
  • 埋蔵文化財が存在する可能性がある土地
  • 土壌汚染が存在する可能性がある土地

以上の2例のご紹介ですが、今回のテーマ通り、いつ・どの様な時に不動産鑑定評価が必要になるのかを豆知識を交えながらイメージしやすい事例でご紹介いただきました。
今後とも、株式会社京都ライフ・ウインズリンク株式会社を宜しくお願い致します。

ウインズリンク株式会社

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