資産運用と防衛の実践セミナー 2015年 春

2015年05月18日

税理士法人 FP総合研究所 税理士 松原健司氏
アーキネット京都1級建築士事務所 代表取締役 黒木幹雄氏

平成27年5月18日、メルパルク京都にて財産ドック主催の大セミナーが行われました。ご多忙のところご出席くださいましたオーナー様の皆様、誠にありがとうございました。
今回の大セミナーでは「不動産を活用した相続税対策」と「京都のリノベーション最新事例」について、二部に分けて開講させていただきました。どちらも不動産業界では今特に注目されている議題とあり、ご参加いただいたオーナー様方は真剣に聞き入っておられました。

【第一部】
不動産を活用した相続税対策

税理士法人 FP総合研究所 税理士 松原健司氏

【第二部】
京都のリノベーション最新事例

アーキネット京都1級建築士事務所 代表取締役 黒木幹雄氏

【第一部】
不動産を活用した相続税対策

税理士法人 FP総合研究所 税理士 松原健司氏

日本の現在の財政状況について、支出全体では「社会保障」「地方交付税交付金等」「公共事業」が半分以上を占めます。支出を削っていく政策も考えられておりますが、どうしても日本は今後も支出が上がっていく傾向にあります。一方、収入は「所得税」「法人税」「消費税」が約半分を占めます。「相続税」は割合は小さいものの、個人の負担としては大きな物になります。

最近の税制改正により「法人税」の減税が行われましたが、個人にとっては、相続税に関して平成27年1月1日以後相続発生分より増税が行われるなど、税負担は今後増加することが予想されます。今まで以上に税に対する関心を持ち、早期に対策を行っていくことが重要になります。

肝心の、相続税はどうすれば下がるのかについては、まず「基礎控除の範囲内であれば相続税はかからない」、「基礎控除に近づけば、税率が下がる」という前提があります。相続税がかかる対象になっている方は、その金額を減らす事が相続税対策となります。

基礎控除に近づける方法としては「相続財産を減少させる」、「相続財産を小さくみせる」の2つの方法があります。

まず、相続財産を減少させるためにとるべき対策は「贈与」と「消費」です。消費する方法については今日は置いておいて、ご家族等に贈与する場合、贈与する金額は一人当たり年間110万円を超えなければ税金がかからないので、この範囲内でコツコツと贈与する事、人数を増やす事等の方法をとることができます。
次に相続財産を小さく見せる方法ですが、「不動産活用」「生命保険金の非課税」「法人活用」等があります。オーナー業をされている皆様にとっては、「不動産活用」「法人活用」等は、特にご興味をお持ちいただける内容ではないでしょうか。
「不動産活用」については、増税のタイミングでマンション等の建築をご検討される方が増えています。建築会社や銀行も相続対策として借入を勧める事も多くありますが、勘違いしてはいけないのは、借入をする事が相続対策ではないという点です。それでは建物建築が相続税対策にならないのかというと、もちろん効果はあります。お金を建物に変える事が相続対策になるのです。例えば現金1億円を建物建築に充てると、建物の相続税評価額は固定資産税評価額で評価されるため、建築費の概ね50%になります。また、これを賃貸に回すと借家権30%が控除されるため、相続税評価額が約3500万円まで下がります。これらが不動産活用と言われる相続税対策の一例になります。購入金額と相続税評価額との乖離分、相続財産を圧縮させることができます。物件を購入される際には、その物件の固定資産税評価額を確認する事が重要です。

また、相続税対策は物件を購入したところで終了ではなく、そこからの維持が相続税対策として重要になります。なぜなら「入居率が低いと相続税評価は高くなる」「入居率が高いと相続税評価が低くなる」という建物に対する相続税評価の変動があるためです。
対策方法としては、リフォームによる入居率改善や一括借上げ(サブリース)の活用などが挙げられます。これらに関しても弊社ではオーナー様に対するご提案を用意しておりますので、いつでもご相談下さい。

「法人活用による所得分散」による相続税対策について、具体的には、一定の条件を満たす必要がありますが、配偶者など親族へ支払う給与を経費にすることが出来ます。つまり給与として支払うことで事業主から配偶者への所得移転が可能となるということです。
条件としては、事業主が青色申告を選択していることや、事業主と生計を一にする親族が専らその業務に従事していること等のほか、給与としての支払いになるため、労働の対価としての適正である必要があります。また、所得が増加することで社会保険関係に影響がでる場合があるので、注意が必要です。
個人の場合、所得が集中することにより累進税率で所得税が高くなるのに対し、法人では、所得分散することにより相続財産が増加しないことや、贈与と同じ効果が得られるなどのメリットが挙げられます。ただ、建物を所有するなら法人で所有するべきとは一概に言えません。相続発生時期により、建物を個人と法人のどちらで所有するかの判断が分かれます。この場合も、建築時に相続税対策が完了するわけではなく、その後の維持により状況が変わっていくということがポイントになると言えます。

【第二部】
京都のリノベーション最新事例

アーキネット京都1級建築士事務所 代表取締役 黒木幹雄氏

第二部では、京都において数々の古ビルのリノベーションを手がける、アーキネット京都1級建築士事務所 代表取締役 黒木幹雄氏に、最新事例を挙げていただきながら、京都のリノベーション事情を解説いただきました。

10年前、20年前にはまだあまり一般的でなかったリノベーションが、今注目を集めています。そもそもリノベーションとは何でしょうか。「建物の内装をキレイにする事」「建物の外観をスタイリッシュにする事」「建物をエコにする事」これらも間違いではありませんが、建物をただ単にリフォームするだけではなく、建物の付加価値を創造する事がリノベーションの醍醐味です。建物は古びることにより、耐震性の欠如や設備の老朽化、市場との乖離等の問題が起こってきます。リノベーションする事で、これらの問題を解決しつつ、入居率の改善にも繋げる事が出来ます。

また、京都市の高さ制限の強化や景観条例により、建物を新たに建替えする際には建物の容積を減らさなければなりませんが、リノベーションではその心配は要りません。また、新築と比べて建築全体のコストを下げられるため、素材にコストをかける事が可能となり、〈こだわり〉を持ったお客様を引き付けることが出来ます。

通常、新築を建てる場合は周りの建物や案件と比較して、なるべく失敗の少ない物を建てようとするため、悪い言い方をすれば面白みの少ない無難な物件を建てるケースが多くなりがちです。対してリノベーション物件は、元々ある建物を利用するという特性から、それらを流行などに合わせて全く別の物に変える事は出来ません。だからこそ、元々の素材を活かすことで、いかに色々な人々のライフスタイルに合うものを作っていくかが重要になってきます。少し変わったコンセプトや、デザインの古さやラフさ等を活かすことにより、通常の新規物件では満足出来ない人々の興味を引きつける物件を、新たに創り出すことが出来ます。つまりリノベーションは、建物の個性を引き出し、新しい価値を「創造する事」と言えます。

寮からSOHOに生まれ変わった「M&Ms」や、オフィスビルからレストラン、SOHOの複合施設となった「Jimukino‐Ueda bldg」など、今回ご紹介いただいた例は主に建物一棟毎の例が中心でしたが、お部屋一室ずつでもリノベーションする事は可能です。オーナー様の空室対策に、私共も自信を持ってお勧め出来る事例もございます。まずはお近くの京都ライフグループ店舗まで一度、ご相談下さいませ。

ここでご紹介させていただいたのはセミナーの中での一端ですが、ご興味をお持ちいただければ幸いです。この度ご参加いただいたオーナー様方におかれましては、本当にありがとうございました。財産ドック主催のセミナーは定期的に行っております。ぜひ次回以降も皆様のご参加をお待ちしております。

京都ライフ出町柳店

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