資産運用と防衛の実践セミナー 2017年春

2017年05月16日

税理士法人FP総合研究所 理事・税理士 松原健司氏
東京調布大家の会 代表 海野真也氏

平成29年5月16日、メルパルクKYOTOにて財産ドック株式会社主催の「資産運用と防衛の実践セミナー」が開かれました。相続の観点から松原健司先生、空室対策の観点から海野真也先生を講師に迎え、賃貸オーナー様向けに分かりやすい解説を頂きました。

【第一部】
平成29年度税制改正とこれからの相続税対策

税理士法人FP総合研究所 理事・税理士 松原健司氏

【第二部】
元地銀融資担当者が語る!最新空室対策

東京調布大家の会 代表 海野真也氏

【第一部】
平成29年度税制改正とこれからの相続税対策

税理士法人FP総合研究所 理事・税理士 松原健司氏

第一部は「平成29年度税制改正とこれからの相続税対策」と題し、松原健司先生に、失敗しない相続税対策を細かくご説明いただきました。

・タワーマンションの固定資産税評価の見直し

居住用超高層建築物に対して課する固定資産税について見直しが行われます。
「居住用超高層建築物」とは、高さ60mを超える建築物のうち、複数の階に住戸が所在しているものを指し、適用開始時期は平成30年度からです。
各層別専有床面積補正率という数値が従来の計算方法に乗算されます。階数が1階増すにつれ、約0・26%の補正率が乗算されますので、ご注意下さい。

・相続税の増税

平成27年1月1日以後相続発生分より、基礎控除が引き下げられています。これにより、平成27年の前年比申告書提出者の割合が183・2%と2倍近く増加しております。
では、相続税はどうすれば下がるのでしょうか。

(1)基礎控除に近づける方法

相続財産を減少させる方法と、相続財産の形を変えて小さくみせる方法のふたつがあります。基礎控除以外の課税対象額を基礎控除に近づければ税率も下がる為、相続税を全体的に下げることが可能です。

(2)実施可能な節税対策について

・小規模宅地等の特例を最大限に利用する方法
被相続人等の事業又は居住の用に供されていた宅地等について、限度面積までの部分が相続税の計算上、一定の割合で減額されます。
これを小規模宅地等の特例といい、平成27年1月1日以降、対象となる面積のうち、居住用で居住継続されている特定居住用の上限が240平米から330平米に拡大されました。特定居住用の小規模宅地等の上限330平米の部分において評価額が80%減額されます。

・遺産分割の工夫による対策
仮に、相続人:夫 相続人:妻 子1人 本人財産1億6000万円 配偶者財産 0円の場合、父の相続時における相続税と母の相続時における相続税では、大きく税金が変わります。
父の相続時に仮に母が財産を相続した比率が100%の場合、二次相続をしてしまうと合計相続税が高くなってしまいます。しかしその際、母が財産を相続する比率を0%とすると結果的に相続税が非常に安くなります。(詳しくは下の図を参照)財産相続も工夫をすると節税出来ることがわかります。

ケースによって差もありますが、様々な視点から税金対策を考え、ご自身に合った税理士さんを見つけるとこが重要となります。

【第二部】
元地銀融資担当者が語る!最新空室対策

東京調布大家の会 代表 海野真也氏

第二部は、東京調布大家の会代表の海野真也先生をお招きし、「元地銀融資担当者が語る!最新空室対策」と題し、地域オンリーワン物件についてお話頂きました。

・USP(Unique Selling Proposition)とは何か?

USP=独自の売り込み提案を指し、つまり、競合相手との差別化ができる独自の強みという意味です。では何故、USPが不動産賃貸経営に必要なのでしょうか。
理由は、

  • 競合物件に勝つ為
  • 閑散期の客付けリスクを減少させる為
  • 付加価値により家賃の下落を防止する為

などが挙げられます。
具体的に、まずは入居者のターゲットを絞りましょう。性別、属性、国籍、年齢、年収、人数など、ターゲットを絞ることで、より強いUSPを設定する事が可能になります。

自らも不動産オーナーである海野先生の究極の目標は、「一度入ったら、出られない部屋」。
ターゲット例は、日本人の男性、45歳、独身、地方出身者、中小企業務めの年収300万円前後の方。一見、年収に不安を感じられる家主様がおられるかもしれません。
しかし高所得の方は賃貸物件に住んだとしても、すぐに家を購入する可能性があります。しかし先述の属性の方は、度々引っ越すことは少ないと考えられます。日本の平均年収は407万円と言われております。
7~800万円の年収の方は、収入に伴って消費も多く、家賃滞納率が多いというデータもあり、純粋に年収だけでは判断しきれないものです。ぜひ一度、入居者の情報を細かく分析してみてはいかがでしょうか。

次に、ターゲットの入居者が必要としているものを調査しましょう。併せて、ターゲットから外れる入居者を受け入れるか否かの判断も必要です。
尚、家賃滞納を防ぐリスクヘッジとして、保証会社の加入は必要です。不動産賃貸経営は、家主様と入居者が両者ともハッピーでなければ安定した入居率を確保できないということを念頭に置いて行いましょう。

・具体的な募集に関して

・解約予告を受けたら
入居者からの解約の意思表示を受けたら、即日で募集活動を開始し、空室発生時までにできるだけ空室認知度を高めることが大切です。

・内覧時用資料の準備
お部屋の内覧時に、仲介営業がセールストークををしやすい環境を整えることもおすすめです。詳細な図面や物件資料をお部屋に置いたり、周辺施設を記載した案内図を添付してみてはいかがでしょうか。

・アクセントクロス選択制の導入
クセントクロスは種類が多すぎると入居者が迷って選べないケースもあるようです。あらかじめ幾つかの種類しぼってを提供し、選択制にすると効果的です。

・景品の利用
新生活にもらってうれしい家電1点程度を景品としてプレゼントするのも効果的です。しかし景品表示法が適用される為、抵触しないよう注意が必要です。

・モデルルーム化
数ヶ月の期間だけモデルルームを設けてみてはいかがでしょうか。手軽かつ、内覧時、お部屋の印象を強く残すことができます。

以上の通り、USPを工夫して活用することで、満室に近づけることが可能となります。ぜひ皆様もいろいろ工夫を凝らしてみてはいかがでしょうか。

・最後に

このように財産ドックセミナーでは、様々な分野から専門の講師をお招きし、色々な角度から講義を頂いております。他にも次はこのようなテーマをして欲しい等、ご興味のある方がおられましたら是非、最寄の営業所若しくは財産ドック事務局までお気軽にお問い合わせ下さい。今後とも京都ライフグループを何卒宜しくお願い致します。

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