第39回 資産運用と防衛の実践セミナー【第二部】

2018年10月02日

福井・稲田総合法律事務所 弁護士 稲田 真孝氏
保険ヴィレッジ株式会社 代表取締役 大家さん専門保険コーディネーター 斎藤 慎治氏

平成30年10月2日、メルパルクKYOTOにて財産ドック株式会社主催の「資産運用と防衛の実践セミナー」が開かれました。

【第一部】
説明義務違反と貸主の責任~事例に基づき徹底解説!!~

福井・稲田総合法律事務所 弁護士 稲田 真孝氏

【第二部】
実はこんなに役に立つ!賃貸経営を支える家主のための保険活用講座

保険ヴィレッジ株式会社 代表取締役 大家さん専門保険コーディネーター 斎藤 慎治氏

【第二部】
実はこんなに役に立つ!賃貸経営を支える家主のための保険活用講座

保険ヴィレッジ株式会社 代表取締役 大家さん専門保険コーディネーター 斎藤 慎治氏

1.漏水事故でも慌てない! 実は頼りになる火災保険の「肩代わり機能」

漏水事故が発生した場合、まず家主(管理会社)がするべきこと
①漏水が続いているのか、または止まっているのかを確認する
②漏水発生箇所を調査する
※なるべく「総合建築業者」に調査依頼をするのが望ましい
※水漏れ被害金額≧原因調査費
③どこに被害が及んでいるのか(漏水が発生した室内・階下・共用部等)を確認する
④入居者の家財(動産)の被害状況を確認し、被害があれば写真撮影を依頼する
⑤発生箇所がどこであっても建物の火災保険(家主の契約)を契約している代理店に事発生の報告をする

注意点としては 、まず被害状況の把握が第一です。調査に入る段階では後に被害状況の記録が必要になってくるので現状写真は必ず残しておきましょう。

※家主に責任がない場合の自己例
・入居者が誤ってトイレを詰まらせてしまい、逆流した汚物により居室内が汚損した
この場合は入居者の使用方法に過失があります。

2.漏水は「上から下へ」、保険での対応も「上から下へ」

①建物の火災保険は、「家主の財産」を守るための保険である
※責任の有無・加害者の有無を問わず被った損害は概ね補償される。(肩代わり機能)
②先ずは家主の建物の火災保険を使ってすべての損害を肩代わり
※その後加害者が判明すれば、肩代わりした保険会社が加害者側に費用請求(保険代位求償権)します。ただし加害者が入居者の場合は、保険会社からきびしい「取り立て」に遭ってしまうことになるので注意が必要です。

ここで注目したいのは、賃貸借契約上の「賃借人」と「借家人」の間では保険代位求償権を行使しない火災保険もある(代位求償権不行使条項、ただし借家人の故意または重大な過失の場合を除く)ということです。つまり、入居者の「家財保険」加入漏れでも家主の火災保険で建物被害はカバーできるということです。
この場合のポイントは、加入している保険の内容に代位求償権不行使条項が含まれているかどうかです。あまり目を通す機会もないと思われますが、一度ご確認してみてはいかがでしょうか。
ただ状況をみて、保険会社ともいい関係を築いていく為にどこかで折り合いを付け、加害者側に費用請求(保険代位求償権)を認めることも大切です。

3.絶対に知っておきたい!機械設備の故障にも対応できる火災保険特約

①賃借物件には付属機械設備が満載!
賃借物件にはエアコン、給湯機、ビルトインコンロ、換気扇、火災報知器、エレベーター、給水ポンプ等が設備され、故障すれば修理、交換はまったなしとなります。また、急ぐ工事ほど料金は高くなる傾向にあります。(祝日、年末年始、GW等)
②「建物付属機械設備等電気的・機械的事故補償特約」の概要
「建物付属機械設備等電気的・機械的事故補償特約」は、「電気的・機械的事故」の定義について誤解が多く、専門の保険代理店だけではなく、保険会社の社員でも知らないことが多いのが現状ですが、建物付属機械設備の「故障リスク」を補償することが可能となります。
具体的には、建物に付属した機械設備(空調設備・電気設備・昇降設備・駐車場設備・給排水設備等)に生じた偶然な外来の事故に直接起因しない電気的事故または機械的事故による損害を補償するというものです。
例に挙げると
・居室内エアコンの不調...エアコンから冷風が出なくなってしまった
・居室内給湯器の故障...充分な温度のお湯がでない
この様な日常的な機械の故障リスクに保険での対応が出来る党になっているのです。つまり、あまり知られていない補償の裏メニューのようなものです。
こちらの特約事項に関しても、保険代理店、火災保険証券にて確認してみてはいかがでしょうか。

4.地震保険の基礎知識

地震保険は会社同一の補償・保険料であり、1回の地震等による損保業界全体の支払限度額があります(11兆3000億円 平成28年7月現在)。契約可能保険金額は火災保険金額の30~50%(居住用・但し1世帯あたり5000万円が限度)ですが、シェアハウスでは全体で1世帯とみなすので5000万円が限度となります。
また、火災保険と地震保険では損害認定と保険金の払い方がまるで違います。火災保険は実損払いであり、地震保険は定額払いです。
損害認定の対象は「主要構造部」のみ(損壊の場合)で、間仕切りや壁や付属物のみの被害は対象外となります。
支払保険金は地震発生時の建物の時価に対する損害割合決定され、損害確認は全件鑑定人の「現場立会い」で認定されるので、損害認定に嵯峨でにくいため、地震保険金の申請を外部委託することにはあまり意味がありません。

5.相続対策 留意すべきポイント10カ条

・遠い将来の話ではないことを自覚しよう
・年に一度くらいは自分の保有資産を把握しておこう
・相続対策は事前のシナリオ作りが大事
・「積極的非課税財産形成」を進めよう
・相続対策は「節税対策」だけではないことに留意しよう
・納税資金を用意しただけでは相続対策は完了しない
・生命保険の役割、必要性を理解しておく
・物件売却によって資金調達することの難しさを知っておこう
・親の相続に学ぼう
・親族を交えて話し合う機会を持とう

その他、会場の入り口付近では賃貸経営に役立つブースを展示し、休憩時間やセミナー終了後もたくさんの家主様で賑わっていました。今回、残念ながらご出席頂けなかったオーナー様も是非次回の機会にご出席頂けましたら幸いです。
今後とも京都ライフグループを何卒よろしくお願いいたします。

京都ライフ企画管理部 中央営業所

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